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女性は死亡者数が第1位! 毎年受けよう大腸がん検診

女性は死亡者数が第1位! 毎年受けよう大腸がん検診

40歳になり、主婦の協子さんは初めての特定健康診査(メタボ健診)とがん検診に臨んでいます。がん検診の最後は、大腸がん検診。待合室で、いろいろと思い返しています。

大腸がん検診で調べるのは「便」

待合室で待機中の協子さん。健診会場に来る前に、自宅で事前準備した検査もありました。それは、便を採取して行う大腸がん検診です。

『家でとってきた便を受付で提出したけど、あれで大腸がんがあるかどうか、本当にわかるのかしら?』

大腸がん検診は、自治体などで40歳以上を対象に行われているもので、1年に1回「便潜血検査」=いわゆる検便と問診によって実施されます。

便潜血検査は、便に血液が混じっていないかを調べる検査で、目に見えないような微量の血液も見つけることができます。初期の大腸がんには自覚症状がほとんどありませんが、がんからの出血が多くみられるので、便潜血検査は大腸がん発見に大変有効な検査とされています。

『事前に問診票と、検便の容器が送られてきたけれど、2回もとらなきゃいけないとは思わなかったから、ちゃんと採取ができるかハラハラしたわ。毎日、きちんとお通じがあるとは限らないし……』

一般に行われている便潜血検査は、2日間に2回の便を採取する2回法です。便の採取は、検査日の2~5日前からできます。専用の検査器で出た便の表面をまんべんなくこすって採取し、保存容器に入れて医療機関に提出します。

採取した2つの便のどちらか1つでも血液が見つかると、「陽性」の判定になり、精密検査を受ける必要があります。

『家族や親せきに大腸がんの人はいないし、出血やとくに気になる症状はないんだけど、問診票でいろいろチェックされると、普段いかに意識していないのかに気づくわね』

自分の体のことなので、これからはトイレの様子にも気をつけてみようと思う協子さんでした。

 

がんで亡くなる人のうち、女性は大腸がんが最も多い

大腸がんになる人は年々増えており、それとともに死亡者数も増加しています。日本人全体でみると、大腸がんで亡くなる人の数は肺がんに次いで2番目に多く、女性だけなら第1位、男性でも第3位です(厚生労働省「平成27年人口動態統計」)。

大腸がんは早い段階で治療を受ければ、治る確率が高いがんです。にもかかわらず亡くなる人が多い理由として、初期には自覚症状がほとんどないことや、検査の未受診などによる発見の遅れが影響していると考えられています。

大腸がん検診の受診率は、男性41.4%、女性34.5%と低い水準にとどまっています(厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査」)。男女とも40歳を過ぎたころから、大腸がんを発症する人が増えてきます。40歳になったら、定期的に年に1回の大腸がん検診を受けましょう。

なお、女性の場合、月経中は大腸がん検診を受けられないことがあります。がんからの出血なのか経血なのか、正しく判定できない可能性があるからです。あらかじめ検診の要項や注意事項を確認してください。

 

津下 一代 先生

監修者 津下 一代 先生 (あいち健康の森健康科学総合センター センター長兼 あいち介護予防支援センター センター長)
昭和58年名古屋大学医学部医学科卒業後、国立名古屋病院内科(内分泌代謝科)、名古屋大学第一内科での臨床・研究活動を経て、平成4年愛知県総合保健センターに勤務。12年あいち健康の森健康科学総合センター、22年より同あいち介護予防支援センター センター長兼務、23年より現職。
厚生労働省における「健康日本21」、「健診・保健指導プログラム」の各委員会や日本健康会議に携わる。