文字サイズ

前立腺肥大症の薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

前立腺肥大症の薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

 当コーナーでは、ジェネリック医薬品に替えるとどれだけ節約できるのかを、毎月さまざまな病気ごとにご案内しています。第7回目の今回は、前立腺肥大症の薬について取り上げます。また、巻末のコラムでは、ジェネリック医薬品の普及がなぜ大切なのかを解説します。

30歳代からはじまり、80歳代男性の約9割が悩んでいるとされる病気

前立腺は男性生殖器の一部で、膀胱のすぐ下にあり、排尿や生殖に関連したさまざまな役割を担っています。加齢や性ホルモンの影響などにより、前立腺は30歳代から肥大しはじめ、やがて排尿に関する症状(うまく排尿できない、頻尿や残尿感があるなど)が現れます。これが「前立腺肥大症」で、前立腺の病気のなかでは最も頻度が高く、80歳男性では約9割の人が悩んでいるとされています。

前立腺肥大症の治療は、経過観察、薬物療法、行動療法、外科療法に大きく分けられます。薬物療法では主に以下のような薬が使われ、新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)の価格差が大きいため、ジェネリック医薬品を選ぶことをおすすめします。ジェネリック医薬品は、新薬の約2~8割(平均約半額)の価格ながら、効果や品質は新薬と同等の、とてもオトクな薬です。

【前立腺肥大症の薬の一例】

●α1遮断薬
一般名:タムスロシン塩酸塩(0.2mg錠を1錠ずつ1日1回、1年間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬ハルナールD 1日分100円×365日=36,500円 10,950円
ジェネリックタムスロシン塩酸塩OD 1日分40円×365日=14,600円 4,380円

6,570円オトク!

一般名:ナフトピジル(25mg錠を1錠ずつ1日1回、1年間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬フリバスOD 1日分40円×365日=14,600円 4,380円
ジェネリックナフトピジルOD 1日分10円×365日=3,650円 1,100円

3,280円オトク!

一般名:シロドシン(2mg錠を2錠ずつ1日2回、1年間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬ユリーフ 1日分150円×365日=54,750円 16,430円
ジェネリックシロドシン 12月薬価収載予定

上記のジェネリック医薬品「シロドシン」は、2018年8月に承認され、12月の薬価収載が予定されています。今回承認されたものの中には「オーソライズド・ジェネリック(AG)」と呼ばれるものがあります。これは、新薬メーカーから許諾を得て、新薬と同一の原薬、添加物および製法等で製造されるジェネリック医薬品であるため、「ジェネリックにするのはなんとなく抵抗がある」と躊躇している人におすすめです。
現在、薬局などで「ユリーフのジェネリック医薬品はありません」と言われても、来年には使用できるようになるということを知っておいてください。

※上記の薬価(薬代)は2018年10月1日現在のものです。
※ここで紹介する薬剤名および用量、薬価は一例です。また、同じ有効成分のジェネリック医薬品でも、メーカーによって価格は異なります。なお、薬価は点数に「五捨五超入」という特別の計算ルールがあります。また、自己負担分は四捨五入され10円単位での支払いになります。
※上記は薬価のみを計算したものであり、実際に支払う医療費には、調剤基本料や薬剤管理指導料、薬剤情報提供料などが含まれます。

コラムジェネリック医薬品の普及が大切なのは、なぜ?

●わが国の医療費支出の削減、医療保険制度の維持につながる

医療費支出が激しく伸びているわが国での有効な支出削減策として、ジェネリック医薬品の普及が推進されています。2017年6月の閣議決定では、「2020年(平成32年)9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」と目標が定められました。

ジェネリック医薬品は、家庭の医療費負担を軽くするだけでなく、国の医療費全体を削減し、医療保険制度を維持することにつながる重要な薬です。協会けんぽや各健保組合などでは、「ジェネリック医薬品軽減額通知書(差額通知書)」を送るなどして、ジェネリック医薬品への切り替えをおすすめしています。この通知書は、現在使用中の新薬をジェネリック医薬品に切り替えた際に、一定額以上の軽減が見込まれる人に対して、どれくらい減額になるのかをお知らせするものです。受け取ったら必ず確認し、ジェネリック医薬品への切り替えを検討しましょう。

堀 美智子 先生

監修者 堀 美智子 先生 (薬剤師、医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー取締役/医薬情報部門責任者)
1977年名城大学薬学専攻科修了。同年4月より同大学薬学部医薬情報室、1980より帝京大学薬学部医薬情報室での勤務を経て、1998年に医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー設立に参加。東京都八王子市にて薬局を運営する傍ら、各種データベースの作成や書籍・ラジオ等での医薬品に対する正しい情報の啓発に携わる。日本薬業研修センター 医薬研究所所長、武庫川女子大学薬学部非常勤講師、名城大学薬学部非常勤講師等も兼務。