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胃潰瘍の薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

胃潰瘍の薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

 当コーナーでは、ジェネリック医薬品に替えるとどれだけ節約できるのかを、毎月さまざまな病気ごとにご案内しています。第8回目の今回は、胃潰瘍の薬について取り上げます。また、巻末のコラムでは、入院時のジェネリック医薬品利用について解説します。

多くはピロリ菌か痛み止めの薬などが原因。ピロリ菌陽性では除菌療法を行う

胃潰瘍は、なんらかの原因で胃の粘膜が傷つき、痛みが起こる病気です。いろいろな原因がありますが多くはピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染による胃炎で、それにより弱った胃粘膜が胃酸で傷つくことで起こります。次いで多いのが、かぜ薬や痛み止めとして一般的に使われている非ステロイド性抗炎症薬によるものです。非ステロイド性抗炎症薬は、胃酸から胃粘膜を守る役目をしているプロスタグランジンという物質の合成を抑制してしまうため、潰瘍ができやすくなるのです。市販薬のかぜ薬や痛み止めを使う機会が多い人や、心臓病や脳梗塞などの再発予防としてアスピリンなどの薬を服用している患者さんは、特に注意が必要です。

胃潰瘍の治療では、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬が使われます。ピロリ菌陽性の場合は、抗菌薬2種類との併用(3剤併用療法)でピロリ菌を除菌することになります。これらの薬にも、新薬(先発医薬品)と同等の効果や品質を持ちながら、価格が約2~8割(平均約半額)のジェネリック医薬品(後発医薬品)があります。一つひとつの差額は少なくても、複数の薬を併用すると数百円以上の差が出ますので、オトクに使えます。

なお、3剤が1シートにまとまった便利な「シート製剤」もありますが、2018年11月現在まだジェネリック医薬品が発売されておらず、今後の開発が待たれます。

また、プロトンポンプ阻害薬は、胃食道逆流症の治療に使用されることも多く、長期間継続して処方される可能性があります。この場合、ジェネリック医薬品への変更は、経済的効果につながります。ただし、長期間の継続服用では、下痢や低マグネシウム血症、胃の殺菌作用の減弱などの副作用が起こりやすくなります。継続服用の必要性に関しても医師に確認されることをお勧めします。

【胃潰瘍の薬の一例】

●プロトンポンプ阻害薬
一般名:ランソプラゾール(30mgカプセルを1個ずつ1日2回、1週間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬タケプロン 1日分250円×7日=1,750円 530円
ジェネリックランソプラゾール 1日分90円×7日=630円 190円

340円オトク!

一般名:ラベプラゾールナトリウム(10mg錠を1錠ずつ1日2回、1週間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬パリエット 1日分200円×7日=1,400円 420円
ジェネリックラベプラゾールNa 1日分80円×7日=560円 170円

250円オトク!

●抗菌薬
一般名:アモキシシリン水和物(250mgカプセルを3個ずつ1日2回、1週間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬サワシリン 1日分70円×7日=490円 150円
ジェネリックアモキシシリン 1日分50円×7日=350円 110円

40円オトク!

一般名:クラリスロマイシン(200mg錠を1錠ずつ1日2回、1週間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬クラリス 1日分140円×7日=980円 290円
ジェネリッククラリスロマイシン 1日分60円×7日=420円 130円

160円オトク!

※上記の薬価(薬代)は2018年11月1日現在のものです。
※ここで紹介する薬剤名および用量、薬価は一例です。また、同じ有効成分のジェネリック医薬品でも、メーカーによって価格は異なります。なお、薬価は点数に「五捨五超入」という特別の計算ルールがあります。また、自己負担分は四捨五入され10円単位での支払いになります。
※上記は薬価のみを計算したものであり、実際に支払う医療費には、調剤基本料や薬剤管理指導料、薬剤情報提供料などが含まれます。

コラム入院中も「ジェネリック医薬品で」と伝えてみよう

●注射薬や点滴薬、造影剤などにもジェネリック医薬品がある

ジェネリック医薬品は、入院時にも使うことができます。外来で服用している薬や、その病気の治療薬だけでなく、注射薬や点滴薬、検査のための造影剤などさまざまな薬にジェネリック医薬品があるので、入院が決まったら、「入院中の薬もジェネリックでお願いできますか」と医師に聞いてみましょう。

事前に伝えられなかった場合は、入院当日に、診察券の提出とともに「ジェネリック医薬品希望カード」などを提出する(当コーナー第5回記事参照)とよいでしょう。

なお、入院する医療機関がDPC制度(定額報酬算定制度:入院期間中に治療する病気の中で、特に重要な一疾患に対して厚生労働省が定めた1日当たりの定額の点数制度)を導入している場合は、疾病ごとに一定料金が決められているため、ジェネリック医薬品に切り替えても、患者さん自身の負担額に変更はありません。

堀 美智子 先生

監修者 堀 美智子 先生 (薬剤師、医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー取締役/医薬情報部門責任者)
1977年名城大学薬学専攻科修了。同年4月より同大学薬学部医薬情報室、1980より帝京大学薬学部医薬情報室での勤務を経て、1998年に医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー設立に参加。東京都八王子市にて薬局を運営する傍ら、各種データベースの作成や書籍・ラジオ等での医薬品に対する正しい情報の啓発に携わる。日本薬業研修センター 医薬研究所所長、武庫川女子大学薬学部非常勤講師、名城大学薬学部非常勤講師等も兼務。