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関節リウマチの薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

関節リウマチの薬、ジェネリック医薬品ならこんなにオトク!

 当コーナーでは、ジェネリック医薬品に替えるとどれだけ節約できるのかを、毎月さまざまな病気ごとにご案内しています。第11回目の今回は、関節リウマチの薬について取り上げます。また、コラムでは、ジェネリック医薬品と似ているようでちょっと違う「バイオシミラー」と呼ばれる薬について解説します。

できるだけ早期に抗リウマチ薬などで治療を開始し、症状と進行を抑える

関節リウマチは免疫異常によって起こる「自己免疫疾患」のひとつで、慢性的に関節に腫れや痛みが起こる病気です。進行すると、症状が全身の関節に広がったり、関節の変形を引き起こしたりして、日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

かつては、症状を軽くする薬物療法しかありませんでしたが、十数年ほど前に抗リウマチ薬のメトトレキサートという薬が登場し、早期から治療を開始することで、症状を抑えるだけでなく、進行を食い止めることができるようになってきました。

現在、多くの患者さんに対してメトトレキサートを中心とした治療が行われており、場合によってはほかの抗リウマチ薬や、近年登場したインフリキシマブなどの生物学的製剤が使われることもあります。生物学的製剤とは、一般的の薬のように化学的に合成したものではなく、生体のたんぱく質を利用して作られたもので、点滴や皮下注射によって投与します。

それらの薬にも、メトトレキサートをはじめ、新薬(先発医薬品)よりもオトクなジェネリック医薬品(後発医薬品)が発売されているものがあり、生物学的製剤についても後発医薬品にあたるようなものとして「バイオシミラー(バイオ後続品)」と総称されるものがあります(記事末尾のコラム参照)。そこで以下では、2014年から販売されている「インフリキシマブBS」というバイオシミラーも含め、新薬との差額を紹介しています。


【関節リウマチの薬の一例】

●抗リウマチ薬
一般名:メトトレキサート(2mgカプセルを3つずつ1週間に1度、4週間服用した場合)

商品名 薬価×週数 自己負担額(3割負担)
新薬リウマトレックス 1週分700円×4週分=2,800円 840円
ジェネリックメトトレキサート 1週分300円×4週分=1,200円 360円

480円オトク!

●抗リウマチ薬
一般名:ブシラミン(100mg錠を1錠ずつ1日3回、1カ月間服用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬リマチル 1日分170円×30日=5,100円 1,530円
ジェネリックブシラミン 1日分70円×30日=2,100円 630円

900円オトク!

●抗リウマチ薬
一般名:サラゾスルファピリジン(500mg錠を2錠ずつ1日2回、1カ月間使用した場合)

商品名 薬価×日数 自己負担額(3割負担)
新薬アザルフィジンEN 1日分220円×30日=6,600円 1,980円
ジェネリックサラゾスルファピリジン腸溶錠 1日分90円×30日=2,700円 810円

1,170円オトク!

●生物学的製剤(TNFα阻害薬)
一般名:インフリキシマブ(100mg瓶を1瓶使用した場合)

商品名 薬価 自己負担額(3割負担)
新薬レミケード点滴静注用 100mg瓶80,430円 24,130円
バイオシミラーインフリキシマブBS点滴静注用 100mg瓶50,040円 15,010円

9,120円オトク!

※上記の薬価(薬代)は2019年2月1日現在のものです。
※ここで紹介する薬剤名および用量、薬価は一例です。また、同じ有効成分のジェネリック医薬品でも、メーカーによって価格は異なります。なお、薬価は点数に「五捨五超入」という特別の計算ルールがあります。また、自己負担分は四捨五入され10円単位での支払いになります。
※上記は薬価のみを計算したものであり、実際に支払う医療費には、調剤基本料や薬剤管理指導料、薬剤情報提供料などが含まれます。

コラム生物学的製剤の後続品「バイオシミラー」って?

●先行品と同一の有効成分ではないものの、品質や有効性・安全性が同等であると確認された薬

ジェネリック医薬品は、化学合成された一般的な薬において、新薬の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ有効成分を使って作られた薬です。バイオシミラーも、生物学的製剤の新薬の特許が切れた後に、別の会社が製造して販売する、後発医薬品に類似するものです。

生物学的製剤は複雑な構造や品質特性をもっているため、新薬と同一の有効成分であるとはいえません。そのため、化学合成された後発品の審査より厳しく、新薬と「同等/同質の品質、有効性、安全性」をもっていることが臨床試験によって確認された、類似の(similar)医薬品として、「バイオシミラー」と総称されています。ジェネリック医薬品と同様に、新薬よりも安価で販売されており、生物学的製剤は高額であるため差額も大きくなります。生物学的製剤による治療が行われる場合には、バイオシミラーの有無について調べたり(参考用外部リンクの「かんじゃさんの薬箱」参照)、医師や薬剤師に相談してみるとよいでしょう。

堀 美智子 先生

監修者 堀 美智子 先生 (薬剤師、医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー取締役/医薬情報部門責任者)
1977年名城大学薬学専攻科修了。同年4月より同大学薬学部医薬情報室、1980より帝京大学薬学部医薬情報室での勤務を経て、1998年に医薬情報研究所 株式会社エス・アイ・シー設立に参加。東京都八王子市にて薬局を運営する傍ら、各種データベースの作成や書籍・ラジオ等での医薬品に対する正しい情報の啓発に携わる。日本薬業研修センター 医薬研究所所長、武庫川女子大学薬学部非常勤講師、名城大学薬学部非常勤講師等も兼務。