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薬ののみ残しや勝手な服用は危険。残薬は処方時に相談を

薬ののみ残しや勝手な服用は危険。残薬は処方時に相談を

半数以上が「残薬」経験あり。在宅高齢者だけでも約500億円分!

 医療機関から処方されたものの、のみ忘れたり、のみ残したりして余ってしまった薬を「残薬」といいます。
 厚生労働省の調査によると、「医薬品が余ったことのある」患者さんは半数以上。また、約9割の薬局が、「残薬確認をすると、残薬のある患者さんがいる」と答えています。
 日本薬剤師会の調査では、在宅の75歳以上の高齢者にかぎっても、合計で500億円近い残薬があると試算されており、国の医療費削減に関する課題のひとつとなっています。

薬ののみ忘れや重複は体にも影響を与えかねない

 残薬の問題は、医療費だけにとどまりません。のみ残したり多重にのんでしまったりすることで、かえって体調を悪くすることもあるのです。
 特に高齢者では、複数の医療機関から10種類以上に及ぶ薬を処方されている場合があり、薬を管理しきれずにのみ忘れたり、のみ残したりすることが多くなります。また、余った薬を自己判断で多量にのんでしまうこともあります。
 薬によっては、ほかの薬と併用すると症状が悪化したり、副作用が強く出たりするものもあるため、勝手に一緒にのむと、命にかかわるほどの深刻な健康被害になりかねません。
 さらには、のみ忘れによって症状が改善されなかったにもかかわらず、そのことを医師に伝えずに再度診察を受けた結果、薬の量が増えてしまい、副作用が悪化する場合もあります。
 残薬があるときは必ず医師や薬剤師にそのことを伝え、薬をのみ残したり自己判断でのんだりしないように、正しく服用しましょう。
 高齢の患者さんでは、できるだけ家族や介護者が服薬状況や残薬を確認し、のみ忘れやのみ残し、のみ間違いのないよう注意してください。

「お薬手帳」を持ち、医師や薬剤師に相談して、のみ忘れや重複を防ごう

 残薬が増える背景にはさまざまな問題がありますが、処方する側の医師や薬剤師に、それぞれの患者さんの服薬状況が正確に伝わっていないことも一因です。
 医師や薬剤師が、ほかの医療機関や薬局などで処方された薬と重複していないか、併用に問題がある薬がないかなどを確認するためには、「お薬手帳」が必要です。毎回忘れずに「お薬手帳」を持参するようにし、市販の薬やサプリメントなどを服用していたら、それも伝えましょう。
 また、処方された薬をのみ忘れたりのみ残したりしたときは、次回の診察時に残薬を持参するか、余っている数をチェックしてきちんと申告しましょう。
 薬剤師は処方の際に、患者さんに残薬の確認をすることになっています。医師に言いにくいときは、薬剤師に相談すれば、その日に処方する薬を残薬の分だけ減らしたり、処方せんを出した医師に連絡して調節してもらったりといった対応をしてくれます。

 なお、どうしてものみ忘れてしまうときや、のみにくいときなども、そのことを医師や薬剤師に相談してみましょう。可能であれば、1日3回から1日2回の処方に変えたり、のみやすい形状の別の薬への変更を検討してもらうことができます。
 薬の服用中、副作用と思われる症状が出た場合にも、自己判断で服用を止めたりせず、すぐに医師や薬剤師に相談するようにしましょう。


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