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20代のエイズウイルス感染者が過去最多に

20代のエイズウイルス感染者が過去最多に

エイズを発症して初めて感染に気づいた人が3割も

 12月1日はWHO(世界保健機関)が定めた「世界エイズデー」です。日本でも毎年この日を中心に、エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)への正しい知識を広め、エイズのまん延防止や患者・感染者への差別・偏見を解消するための活動が各地で行われています。

 「エイズ」とは、「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)」に感染して起こる病気です。適切な治療を行わないと徐々に免疫機能が破壊されていき、カポジ肉腫やカリニ肺炎、悪性リンパ腫といったさまざまな病気を発症して最悪の場合死に至ります。HIVに感染しても自覚症状がない状態が長く続き、感染からエイズ発症まで一般に5年以上かかります。

 世界的には、1年間で新たにHIVに感染した人は1990年代後半の350万人をピークに減少していますが、日本では2008年をピークに横ばいの状況が続いています。
 昨年(2014年)日本で新たに報告されたHIV感染者は1,091人、エイズを発症した人は455人、合計1,546人でした(厚生労働省「2014年エイズ発生動向」)。ただし、発症して初めて感染に気づいた人が455人と全体の約3割を占めていることから、実際の感染者は報告者数を大幅に上回っているのではないかと懸念されます。

感染経路は性的接触が8割を超え、感染者は20~30代が多い

 主な感染経路は性的接触で、患者・感染者ともに8割を超えていました。なかでも同性間の性的接触による感染例がHIV感染者の約72%、エイズ患者の約57%を占めています。

 年代別では、HIV感染者は20~30代に多く、特に20代が349件で過去最多となりました。20代は10万人あたりの発生数(罹患率)の上昇も目立ち、10代に向けたエイズ予防教育の体制が整っていないことなどが指摘されています。
 一方エイズ患者は20代以上で幅広くみられ、特に30代、40代に多い傾向が続きます。ただし50歳以上も全体の3割近くを占める多さです。

少しでも気になったら、早めにHIV検査を

 現在は、HIVの増殖を抑える薬(抗HIV薬)が次々と開発され、早い段階から適切な治療を行えば、エイズの発症を抑えることが可能になっています。しかし感染に気づかないままエイズを発症してしまうと、発症前より治療が難しくなってしまいます。また、気づかずにほかの人に感染させてしまうおそれもあります。
 エイズ発症前に感染を発見するにはHIV検査が大切です。全国の保健所で無料・匿名で受けることができるので、少しでも気になることがあれば早めに検査を受けましょう。

 世界エイズデーに合わせ、11月から12月にかけては臨時の検査が行われています。土日や夜間に実施したり、結果がその日のうちにわかる「即日検査」を行っているところもあり、「HIV検査相談マップ」などから探すことができます。


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