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第39回 河内文雄さん

第39回 河内文雄さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医療法人社団 以仁会 稲毛サティクリニック理事長の河内文雄さんです。
河  内
どうぞよろしくお願いいたします。
住  吉
今日のキーワードは「COPD」。河内先生は、COPDのスペシャリストでいらっしゃいますけれども、COPDとはどんな病気なのでしょうか?
河  内
COPDは、日本語で言いますと「慢性閉塞性肺疾患」、その頭文字を取って「COPD」と。
住  吉
肺の疾患なんですね。どういう疾患なのでしょうか?
河  内
一言で申し上げますと、「タバコで肺が壊れる病気」です。
住  吉
必ずタバコが原因のものという…?
河  内
実際は、大気汚染物質だとか様々なものが関与しているんですが、ダメージの与え方は圧倒的にタバコが大きいですね。
住  吉
肺が炎症してしまう?
河  内
そうですね。慢性的な炎症ということで、“慢性”という言葉が入っているのですが、そのやられる場所がそれぞれの原因によって違うんですね。タバコですと、かなり端の方。肺の構造というのは、木の枝と非常に似ていまして、例えば喘息だと木の幹に相当する太い部分がキュッと縮んでしまうんですが、このCOPDは、肺の奥の方、葉っぱの手前の非常に細い枝に相当するような部分に、細かい微粒子が入り込んで溜まってしまうんです。
住  吉
では、より厄介ということですね。
河  内
そうですね。より治りにくいという部分はあります。
住  吉
罹患するとどんな症状が現れるものなのでしょうか?。
河  内
特徴的な症状というものではないんですが、呼吸困難。普通、呼吸困難というと、息切れを想像されますよね。でも、このCOPDの場合は、肺の中に空気が溜まり過ぎてしまうので、例えば今、目一杯息を吸うと、吸い切れたという感じがあると思うんです。それが、最初からもう空気を吸っているような、肺に空気が溜まっているような状態ですから、目一杯空気を吸っても、自分は吸いたいのに吸えない。それを「空気飢餓感」というんです。これが特徴といえば特徴ですね。
住  吉
ある日急にそうなるわけではないので、徐々に強くなる?
河  内
そうです。息を目一杯吸ってフーと吐いた時に、自分の肺活量の70%以下しか吐けない、それが診断の基準になります。ところが、ある日突然70%以下に下がるわけではないですよね。正常な状態から徐々に下がっていくので、その過程のところが見逃されやすいんです。
住  吉
きっと「歳のせいかな…」と思って気づかないのかもしれませんね。そんなCOPDですけれども、患者さんは増えているんですか?
河  内
そうですね。2001年に日本の患者数がどれぐらいいるかという、NICE Studyというものが行われまして、その時、40歳以上の日本人の大体8.6%にCOPDがあると。大体530万人。そのうち、実際に診断されて治療している人は30万人ぐらいしかいなかったんです。ところが、最近の統計的な推測では、約700万人ぐらいいるのではないかという話があります。
住  吉
ちなみにどういう検査をして発見されるんですか?
河  内
肺機能検査のことをスパイロメトリーといいまして、肺活量を調べたりします。最も大事な検査は、大きく息を吸ってフーと息を吐く、フローボリュームという検査です。それで最初の1秒間にどれぐらい吐けるかと記録されますから、そのカーブの形がすごく大事なんです。フーと下がっていく時にCOPDは下にカーブするという特有の形が出るんです。これが出ると、仮に数値的には正常でも、怪しいと。その段階で治療に入れるようになれば、非常に効果が期待できる部分はありますね。
住  吉
自分で検査に来る方は、よほど苦しい方が来ているわけですよね?
河  内
先ほど住吉さんがおっしゃったように、自分は歳のせいだと思っている方が多いので、あまり医療機関を積極的に受診しようとはしないんですが、例えば、駅の階段を上る時に息が切れる、上った後に座ってもしばらく息が弾む、そういったことで受診される方が多いですね。
住  吉
ただ、隠れ患者といいますか、潜在的な方がたくさんいらっしゃるというのは問題ですよね。放置しておくと危険なのでしょうか?
河  内
そうですね。これは進行性の疾患ですから、タバコをやめたからそこでピタッと止まるというものではないですね。その後もじわじわと進んでいきます。