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第40回 中村米吉さん

第40回 中村米吉さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、歌舞伎俳優の中村米吉さんです。
中  村
よろしくお願いいたします。
住  吉
米吉さんは、1993年五代目中村歌六さんのご長男として生まれ、2000年に米吉を襲名して初舞台を踏まれています。今、人気の若手女形として大注目されていて、私も実は一番注目している若手の女形で…!
中  村
ありがとうございます。
住  吉
米吉さんは現在、若手歌舞伎俳優が一堂に会する「新春浅草歌舞伎」に出演中です。毎年、歌舞伎初心者でもわかりやすいような演目がずらりと並び、それを若手の方々が色々な初役に挑んだりする場として知られているんですけれども、今年の演目は?
中  村
今年はまず『義経千本桜』の「鳥居前」という場面、そして『元禄忠臣蔵』の「御浜御殿綱豊卿」。これは第1部の2つの演目なんですけれども、『義経千本桜』という大きなストーリーの中の「鳥居前」という場面、スター・ウォーズでいうエピソード○○というような。
住  吉
なるほど(笑)。
中  村
『元禄忠臣蔵』も、『元禄忠臣蔵』という長いお芝居の中の、エピソード○○みたいな。
住  吉
割と盛り上がる場面だったり、有名な場面だったり?
中  村
有名な場面だったり、名作と言われている場面が上演されますので、前後の関係がわかりにくいところはあるかもしれないんですけど、歌舞伎はそこがわからなくても楽しめるようにできあがっています。特に「鳥居前」というのはいわゆる“荒事”という、お姫様やお殿様が出てきて、隈取をとった人が大活躍するというような、お正月らしいお芝居です。僕は『元禄忠臣蔵』「御浜御殿綱豊卿」のお喜世という役で出していただきます。忠臣蔵の人たちが討ち入りをするまでにどんなことがあったか、というようなお話で、忠臣蔵のリーダーだった大石内蔵助も出てこなければ、仇である吉良上野介も出てこないという作品なんですけれども、討ち入りに至る人の苦悩が描かれていて、僕はのちの将軍となる綱豊さんの側室のお喜世さんという女性です。
住  吉
初めての?
中  村
初めてさせていただきます。この『元禄忠臣蔵』というお芝居は、“新歌舞伎”と言うんです。昭和に書かれたもので、比較的新しいので、多少日本語がわかりやすくできています。
住  吉
第2部もまだまだあるんですよね?
中  村
第2部は、『操り三番叟』『引窓』『京人形』です。『操り三番叟』というのは、操り人形の踊りなんです。だから、人間がもちろん踊っているんですけど、糸に吊られているように踊るという。お正月らしい、縁起の良いお芝居です。
住  吉
米吉さんは、『引窓』に出演されるんですよね?
中  村
はい。『引窓』のお早という役で。この『引窓』というお話もまた人間関係が絡まって。義理人情のお話で、誰一人悪い人は出てこないというお芝居なんです。みんなが良い人で、みんながみんなのために、誰かのために、ということでお話が進んでいきます。義理の息子と本当の息子がいて、その間に立ったおばあさんが2人の間をどうにかしたいと揺れ動いて。僕はその義理の息子の奥さんの役で、義理の息子の奥さんなんだけど、本当の息子の方もよく知っている。その息子家族とその義理の息子が家にやってくることによって起きる事件の、たった1日のお話です。その義理と人情が入り混じって、これもまた板挟みの役で、お母さんと旦那さんとその義理の息子と3人の中でずっと板挟みになって。
住  吉
これも初めての役?
中  村
はい、初めての役です。元々は遊女だった女性が奥さんになっているという設定もあるので、ちょっと色っぽ可愛いというような。もちろん奥さんとしてはきちんとしているんだけど、まだ結婚したてでウキウキしているところもあるので、そういうところも楽しんでいただけたらなと。お芝居は古くても、今の方にも絶対に通じると思うので。僕らがやらせていただくには難しいお芝居だと思うので、勉強しながら務めたいと思います。
住  吉
新春浅草歌舞伎では、毎年恒例の「お年玉〈年始ご挨拶〉」というのがあると?
中  村
はい。これは、新春浅草歌舞伎がこういう若手の場になって、今の市川猿之助兄さんや中村勘九郎兄さんの世代に、少しでもお客様との距離を縮めようということで始まりました。紋付袴で開演前に出てきまして、ご挨拶をする。フリートークなんですけれども…だいたい5分ぐらいかな? 最近やっと慣れましたけど、最初の頃は何を話せば良いのか…。原稿を書いて時間を計りながらやったりしましたよ、一番最初の時は。
住  吉
自分の中でも恒例になりつつある?
中  村
そうです、恒例で。今回は回数が多いので、どんな話をしようかなと思って(笑)。その日になって「どうしよう…」ということもありますよ。だから、携帯で「今日は何の日」と調べて、「○○の日」と出てきたらそれをもじって(笑)。あと、初めてのお客様も多かったりするので、僕らの口からわかりやすくお芝居の説明もしたりしています。僕らが話すのが一番お客様にも伝わるんじゃないかなと思いまして。