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第40回 中村米吉さん

第40回 中村米吉さん

住  吉
それだけお仕事されていると、色々と気も遣わなくちゃいけないし、健康の状態のチェックも大変だと思うんですけれども、ここからはそんな健康キープのお話と、女形米吉さんに「女性らしく見えるには?」というお話を伺いたいと思います。2011年、米吉さんが18歳の頃から?
中  村
そうですね。高校を卒業して、歌舞伎役者として修行させていただいています。
住  吉
そして、女形でいこうと。これは誰かが決めるんですか? 自分で?
中  村
それぞれなんですけど、お家として女形のお家というのもあります。私の場合、父は男をやる“立役”なので、そういうことも特にはなく、僕は女形をやらせていただきたいなと思って、女形を勉強させてくださいと言いました。たとえ女形のお家の人が立役さんになったとしても良いし、立役さんのお家の人が女形になったとしても、それは個々の自由ですので。
住  吉
女形をやりたいと思われた理由は?
中  村
顔がこんな顔をしているので…ラジオで見えないですけど(笑)。
住  吉
本当にお綺麗なお顔をされていますよね。
中  村
ということもあるのと、昔は世界では、中国の京劇にもあったし、シェイクスピアも男の子がやっていた時代もあったらしく、それがなくなって今や歌舞伎にしか存在しないものでもありますし。あと、亡くなった父方の祖母が「あなたは女形になったら良いのにね」というようなことを、僕が役者になろうとは全然考えていない頃に言っていたのが、どこかで引っかかっていて。やっぱり女形になるというのは大変なことです。男が女にならなきゃいけないので。もちろん立役になることも大変ですけど、男が男になるという意味では、ある意味の線は一緒なんですけど、男が女になるというのは、全然別の線に乗らないといけないわけですから。どっちもやるという選択肢もありますけれども、僕は18歳からですからスタートラインが遅かったというのがありますので、女形を何でも良いからさせていただいて、勉強したいとお願いしたんです。
住  吉
もちろん先輩方から習うこともたくさんあるんですか?
中  村
そうですね。それが一番大きいですね。
住  吉
どんなことを最初に?
中  村
基礎としてあるのは、女性の形になるということですね。初歩的なことで言えば、親指は隠すとか。
住  吉
親指を隠すことで女らしくなるんですか?
中  村
僕らは男なので、どうしても女性より手が大きい。だから親指を隠すと、少し綺麗に。
住  吉
確かに細長く見える。
中  村
あとは、肩甲骨をくっつけて肩を落として、なで肩に見せるとか。そういうことが基本としてあって、あとはそれぞれの役柄によって、お姫様ならこうだし、芸者さんならこうだし、おかみさんならこうだし、遊女ならこうだし。それを含めて、そういうことは先輩方からこうした方が良いとかこうしなきゃいけないということを伺いながら。
住  吉
学ぶことがたくさんありすぎますね。
中  村
本当にたくさんあるんです。だからある先輩には、30歳になるかならないかぐらいまでの間に、あの役ならこう、お姫様ならこう座るとか、芸者ならこう立っているということが、ある程度ノウハウとして入っていないといけないと言われました。そのノウハウ、その土台を手にいれた後は、自分の感情を込めることとか、綺麗な形になる、ということが出てくるので、まずはそこを僕はお勉強させてもらっているという感じです。
住  吉
日頃、街でも女性に目がいったりして、研究されているんですか?
中  村
どうでしょう…。今の女性は着物を着ていない、というのはありますけれども、男の人でも女の人でも、街中にいる人は何となく見てしまいます。でもそれが、歌舞伎の舞台に立つにあたって、実質的に役に立っているということではないと思うんですけど、どんなことでも自分の中に入れることは大事だと教わっています。美味しいものが美味しいなと思える、これは美味しくないなと思えることですら、役者というのは大事だというように、父に言われています。
住  吉
そうですよね。ずっとセリフで説明しているわけではなく、ただ存在として居るだけで…。
中  村
そうなんです。それを先輩方は見せられるから、僕ら、特にこういう若手公演の時は、何もしていない時にそのお役になっているということは、どれだけ難しくて、それを先輩たちがいとも簡単に普通に座っているだけに見えて、ちゃんとその役で座っていらっしゃるというのが…。この浅草歌舞伎もそうですけど、大きなお役をさせていただくことは僕らにとってとても経験になるし、その役をやるとならないと教えてもらえないわけですよ。やらないで教えてくださいということはないんです、僕らの中では。「今度この役をやるんです。教えてください」「わかった」という。だから、せっかく教えていただけるから、それは全部吸収しなきゃいけないし、1ヶ月間の公演の中でより良くなろうと思わなきゃいけないですけど、やっぱり大きな役をやれるので、楽しむことは忘れないでやりたいなとは思っているんです。そればかりになってはいけないですけど。
住  吉
本当に情熱的に芸に取り組んでいらっしゃることが伝わってきます。そしてとにかく舞台に上がっていらっしゃいます。年間何日間ぐらい?
中  村
去年は丸々1ヶ月お休みというのが8月しかなかったので、単純計算すれば11ヶ月×25日間で…。
住  吉
すごい数ですね…! つまりは、身体の維持も大変なんじゃないかと想像するんですが、健康や身体の維持のために気をつけていらっしゃることはありますか?
中  村
本当に身体が資本の仕事なので、色々と気をつけなきゃいけないとは思っているんですけど、なかなか…。でも、ちゃんと食べたり、楽屋のお風呂にいつも入るんですけど、みんなで使うところなので長々と入るわけにはいかないので、お家に帰って、湯船にゆっくり浸かったりはしています。
住  吉
ちょっとしたことなんですね。
中  村
本当にちょっとしたこと。お酒はちょっと控えたり、そういうことは常々。
住  吉
ちなみに、健康と向き合う機会でもある健康診断には行っていらっしゃいますか?
中  村
それが、学生の時に行ったきりで…。僕も今年25歳になりますので、今年は行きます。これをきっかけに、健康と向き合います。
住  吉
そして最後に、米吉さんの「健康の秘密」を教えてください。
中  村
健康の秘密は“舞台に出させていただいていること”です。面白いもので、お休みになると風邪を引いたりするんです。父親も1ヶ月お芝居をやっている間は平気なんだけど、稽古期間に1日休みができると、急に肩がこったと言い出したり。緊張の糸がどこかで張っている部分があって、それがふっと緩むとガクンとくるので。出させていただいている間の方が気を遣いますしね。
住  吉
健康維持にも気を遣いますよね。中村米吉さんが出演中の「新春浅草歌舞伎」は、浅草公会堂で1月26日(金)まで。若手歌舞伎俳優が一堂に会する華やかな舞台です。どうぞお運びください。中村米吉さん、ありがとうございました!
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