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第42回 尾崎亜美さん

第42回 尾崎亜美さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、シンガーソングライターの尾崎亜美さんです。
尾  崎
よろしくお願いいたします。
住  吉
1976年にデビューされて、シンガーソングライターとして活躍。皆さん、色々な曲を何かの折に耳にされていると思います。『マイ・ピュア・レディ』『My Song For You』、そしてアーティストへの楽曲提供も数多く手がけてこられて、『オリビアを聴きながら』『天使のウィンク』『伝説の少女』など、色々と作品があります。そんな尾崎亜美さん、昨日ニューアルバム『Life Begins at 60』をリリースされたばかりです。直訳すると「人生は60歳から」というタイトルですが…。
尾  崎
私が去年の3月で還暦を迎えて60歳になったということで、別にお誕生日って嬉しいわけではないでしょ、自分は。だけど、なぜ嬉しいかというと、「おめでとう」と言ってくれたり、一緒に喜んでくれる人の存在があるということが何より嬉しい。それで、「還暦だね」「めでたいね」「何かしようよ」と皆さんからのお声があって、初めはライブをやることにしたんですよ、「Life Begins at 60」の。そしたら、すごく楽しくて、私の曲を色々なアーティストの方が歌ってくださって、本当に幸せな時間だったんですけど、ライブの評判も良くて、「これはアルバムの形にした方が良いんじゃないか」ということもあって、その時のメンバーとまたちょっと違ったりもするんですけど、「じゃあこの人にも声をかけてみよう」という人も含めてお声がけしたら、「良いね、ぜひ!」と皆さん言ってくださって、すごいメンバーが集まってくださったんです。
住  吉
豪華ゲストを招いていらっしゃるコラボアルバムなんですが、バラエティー豊かですね。槇原敬之さん、根本要さん、miwaさん、chayさんも参加していらっしゃって。どういう感じで声をかけたんですか?
尾  崎
例えばテレビ番組で共演した時に、「母が大好きで、ずっと亜美さんの曲を聴いていました」とか、miwaちゃんも「『マイ・ピュア・レディ』が大好きで」と。「だから、大好きな歌を一緒に歌えるなんて夢のようです」「光栄です」と言って。「『マイ・ピュア・レディ』を一緒に歌ってほしい」と言ったら、「喜んで!」と。そんな感じだったんです。私、自分でアレンジとかも全部するんですけど、制作がちょっとタイトで、ちょっとしんどいかなという部分もあったんですけど、愛にまみれてたので。「亜美さんとできて嬉しいです!」とか、マッキーも興奮状態で「日本のキャロル・キングと一緒だ!」「尾崎亜美が目の前にいる!」って、歌入れの時もそうやってすごく喜んでくれていて。根本要くんも、私のデビュー曲の『冥想』を聴いたのは学生の頃なんですって。「その歌を一緒に歌っていると思うだけで笑えてくる」とか。そういう感じですごくエネルギーをみんなからもらえたものでもあったので、すごく幸せな制作時間だったし、良いものができたと思っているんです。
住  吉
素晴らしいですね。歌はまさに、気持ち一つで聴き手に伝わってくるものも変わりそうだから…。
尾  崎
そうだと思うんです。小坂忠さんというレジェンドの方にもお願いしたんですけど、たまたま大病されて、もう無理かなと思ったんですけど、「絶対に参加したいからリハビリを頑張る」と言って、3ヶ所いっぺんに手術されて。術後の経過も良くなかったんですね。でも人間って、気持ちがすごく大きいんだと思う。
住  吉
目標になったんですね、きっと。
尾  崎
そうなんですよ。すごく頑張って、レコーディングに来てくださって、ライブも昨年末にやったんですけど、それもちゃんとそこにいてくださって。改めて音楽というか、何かをやりたいと思う時の人の力というか、そういうものも感じさせてもらえて。良かったです、このアルバムを作って。
住  吉
尾崎亜美さんの曲自体が良いから、改めて良いなあと思うんですけど、あったかいアルバムですね。それは、今の裏話を聴いてなるほどなと思いました。今まで書いてきた曲と、書き下ろしの曲も加わって。
尾  崎
そうです。書き下ろしの曲は1曲だけなんですけど、自分で歌っている曲で。それは皆さんがすごく個性的だったので、調和ということをすごく考えたのと、色々な方とのハーモニーがたくさん出てくるので、『Harmony』という曲を書きました。あとは全部コラボの曲になっています。
住  吉
1970年代からずっと女性の気持ちを歌で書き続けてきて、変わったこと、変わらないことはどんなことですか?
尾  崎
気持ちは意外と変わっていないのかもしれないんですけど、例えば『オリビアを聴きながら』という歌を書いた頃に、男性を振る女性の歌っていうのはあまり世の中に存在しなかったと思うんですね。だからすごく驚かれたんだけど、今多いのかと言ったら、多くはないんだけど、びっくりはされないかもしれないから、それくらいの変化はあるかもしれないです。
住  吉
ご自分というより、社会が少しずつ変わっていると。
尾  崎
あと、小道具が変わった。
住  吉
小道具?
尾  崎
私、『マイ・ピュア・レディ』の頃は、公衆電話が街にたくさんあったんですよ。今は携帯電話になっていますし、電話の音をリアルタイムで聞かなくても何とかなったりしますし。そういうことがあるので、物語の切なさとか愛おしさは少し変わるけれども、また違った切り口というのを見つけていける喜びもあります。