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第43回 大久保公裕さん

第43回 大久保公裕さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、日本医科大学付属病院の医師、大久保公裕さんです。
大久保
よろしくお願いいたします。
住  吉
これからの季節の悩みといえば、「花粉症」。今年は関東甲信でも昨シーズンの1.5倍の花粉が飛散するという予報もあります。大久保先生はそんな「花粉症」のスペシャリストです。改めておさらいなんですが、まず、花粉症とはどんな病気なのでしょうか?
大久保
花粉症というのは、花粉によって起こるアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎が主体なんですけれども、花粉によって起こる全身のアレルギー全てを、花粉症と総称しています。
住  吉
では必ずしもくしゃみをするというわけでも…。
大久保
そうですね。くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけではなくて、目のかゆみ、涙目であったり、皮膚が乾燥する、皮膚がかゆくなるというのも、花粉症の症状の一つになります。
住  吉
あと、花粉症というのは、今まではスギ花粉がメジャーでしたが、色々な時期に色々な花粉の名前を聴くようになったのですが…。
大久保
そうですね。2~3月はスギ、4~5月はヒノキ、6~8月ぐらいまではイネ科の花粉、そして8~10月はブタクサやヨモギのキク科という雑草の花粉ですね。そういった花粉症が1年中どこかに飛んでいます。例えば北海道であればシラカバ花粉症ですし…。なる人、ならない人はいますが、アレルギーとして花粉を吹き飛ばすように、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水で洗い流す、鼻づまりで身体の中に入れないようにさせるという、花粉の防御をしているんです。
住  吉
なるほど。ということは、ほとんどの季節に何かしらの花粉症で悩んでいる方がいると。
大久保
そうですね。寒い時期、12月や1月だけは、花粉は飛びづらいですが、それ以外はほとんど何らかの花粉が日本中で飛散しているということになります。
住  吉
そして、花粉症となった場合に、全ての花粉のアレルギーというよりは、人によって「スギだけ」「ヒノキだけ」というように違うのでしょうか?
大久保
はい。北海道に行けばスギはあまりありませんから、スギ花粉症はいなくてシラカバ花粉症になりますし、都心にいれば雑草の花粉はあまりなかったり、例えば土手のところに住んでいれば、イネ科の花粉、雑草の花粉が多くなったり…。住んでいるところによって出会う花粉が違うので、花粉症になる種類が違うと考えられます。
住  吉
全ての花粉症の人を合わせると、日本人の25%が花粉症と言われる時代だと聞いたのですが?
大久保
そうですね。それも、5歳~70歳以上で25%ですから、働き盛りの方たちは30%を超えるという風に思っています。
住  吉
先ほど「吹き飛ばすようにくしゃみをする」とおっしゃっていましたが、花粉症のメカニズムは、どういう仕組みでなってしまうのでしょうか?
大久保
例えば、花粉やダニ、ハウスダストもそうですが、アレルギーと呼ばれるものは、ばい菌やウイルスと違って、それ自身が害を持たないんです。ですが、それに対して抗体をつくる人がだんだん多くなってきた。これは、高度成長に伴って多くなってきたんですけれども、そうすると、スギに対する抗体がアレルギーの細胞の上にのって、もう1回スギが生えてくると、抗原抗体反応と言いますが、アレルギーの細胞からヒスタミンなどのアレルギー症状を起こす物質が出てくる、それがアレルギーの本体なんです。抗体をつくる人とつくらない人がいるのはどうしてなのかというのは、まだまだわかっていません。
住  吉
わかっていないんですね…。
大久保
でも、お父さんやお母さんにアレルギーがあると、お子さんたちは何らかのアレルギーになりやすい、と言われています。
住  吉
スギやヒノキの花粉を敵だとみなしてしまう、ということですね。
大久保
そういうことです。ですから、防御するんです。
住  吉
そしてその症状が、花粉症として出ると。
大久保
そうです。
住  吉
花粉症などのアレルギーが出てきてから長いのに、未だにその仕組みが十分にわからないというのは、それだけ難しいということなんですね。
大久保
そうですね。例えば、人間の身体というのは、江戸時代からほとんど遺伝子は変わっていない。変わってきたのは、環境なんです。江戸時代は60歳ぐらいまで生きるのが長生きでしたが、今は80、90歳まで生きる時代。これは周りの環境、薬、そういうものが全て変わってきて、我々の身体が変わってきた。江戸時代に保存料があったかと言われると、ない。今は瓶詰のものでも保存できます。化学物質によって我々の身体も変わってきていますし、高度成長によって変わってきたと言えます。