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第49回 夏木マリさん

第49回 夏木マリさん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、夏木マリさんです。
夏  木
よろしくお願いします。
住  吉
歌手、俳優、演出家として活躍していらっしゃる、女性なら誰もが憧れるかっこいい夏木マリさんですが、先日、主演映画『生きる街』が公開されたばかりです。今週末、東日本大震災から7年を迎えます。この映画の物語の舞台は、宮城県石巻市。夏木さんが演じるのは、石巻のおかあちゃんという感じの人物で、すごく明るいんですけど、実は旦那さまを津波で亡くしているんですよね。
夏  木
そうですね。それで、娘と息子がいるんだけど、震災の影響で息子は自暴自棄になっているし、娘はこれから新しい命をつくるということを怖がっていて。(夏木さんが演じる)この千恵子さんという人は、友達の大きな別荘を借りて民泊をして、前向きに元気に生きているんですけど…みんなといる時は明るいんだけど、一人になると、トラウマがあったり、色々な自分の感情が出てくるんです。震災をテーマにしていますけど、監督は“家族とふるさとのお話”だとおっしゃっていて。だから、このお話を観ていただいて、遠く離れた親や友人、自分のふるさとを思い出してもらえたらいいなと。
住  吉
私は(この映画を観て)すごくリアルだなと思って。それぞれの登場人物が、一生懸命生きているんだけど抱えているものもある、というところがリアルだなと思ったことと、このかっこいい夏木マリさんが“おばちゃん”になっていて、それがまたすごいなと感じました。ロケは石巻で?
夏  木
はい。2016年11月に、俳優たちは2週間ぐらいいて。スタッフは1ヶ月ぐらいいたと思いますけど、みんなで石巻にいました。
住  吉
地元のおばちゃんたちと交流して、役作りのヒントなどを得たんですか?
夏  木
はい、すごく助かったのが、私は民泊のおばちゃんなので民宿に泊まらせていただいて、その民宿のおばちゃんから、その時はまだ(震災から)5年だったので、5年間の話を聴いたりしたら、とても役作りの肉付けになりましたね。5年後にやっと「あの時どうしてた?」って聞いた、とか。それまで言えなかった、と。あと、支援格差によって、仲の良かった近所が疎遠になってしまった、とか。私たちが気づかなかったことを色々と話してくださって、役作りにはすごく助かりました。
住  吉
私、実は東北出身の人と結婚したので、義理の家族が岩手の南部で(石巻に)すごく近いエリアなんですよ。おばちゃんの喋り方以前に、発声の仕方が「こういう感じ!?」とすごく思って。すごく腹から声が出ていて、少しぶっきらぼうなんだけど、それがまた愛くるしいというような喋り方をされるんですけど、それを見事に演じていらしたので、すごいなと思って。
夏  木
方言がありましたからね。
住  吉
それもずいぶん練習したり?
夏  木
そうですね。日常会話も方言でやったりしていました。
住  吉
日本人にとっては、誰もが何かしら個人的な思いのある、この東日本大震災だと思いますけれども、夏木さんはこの映画でロケをして、この経験を通して、ご自身の中で何か変わったことなどはありますか?
夏  木
3月11日近くになると、ニュースで放送されますよね。だけど、どういう形で支援させていただいたら良いのかということを悩むじゃないですか。炊き出しに行ったら良いのかなとか、でも今はいらないんじゃないかとか。だけど私たち、こういう仕事をしている人間としては、こういう風に作品を通して、自分ができる範囲で皆さんと一緒に心を通わせることが私たちの使命なのかなと、この映画を撮っていて思いました。