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第52回 門田守人さん

第52回 門田守人さん

住  吉
今は第3期目に入ったばかりということですね。ここからは、検診のお話を伺っていきたいと思います。がんによっては、一般的な健診で1次予防をできることもありますよね?
門  田
そうですね。先ほども言った通り、いくつかの感染が原因になる場合はそういった予防があります。
住  吉
そして、がん検診で早期発見することで、昔の「がんは治らない」というイメージも変わってきているのでしょうか?
門  田
治る、治らないという表現も一つですけれども、例えば、昔は胃がんで大きな手術をして胃がなくなったとか、3分の2を取られたとか、そういう状態になって助かる場合もあれば、また再発する場合もある。ところが、検診が非常に進んできていて、特に内視鏡(胃カメラ)で検診して、胃の表面だけにあるがんが見つかると、内視鏡でその粘膜だけを切除したらがんの治療が終わる。だから、がんの治療そのもののイメージが全然違ってくるわけです。外来で終わってしまったり。
住  吉
入院もなしですか!
門  田
入院もなしで、部分的に取るだけでがんの治療が終わる。いわゆるがんの手術というイメージと全く違うので、そういうメリットが大きいですよね。
住  吉
でもそれは、検診で早期発見しないとできないことですよね?
門  田
そうですね。よく「検診に行きませんか?」という話をすると、「私は何の調子も悪くないので行きません」という人がいたりするわけです。粘膜の表面に少し異常があるというだけでは、症状が出るはずない。症状もなければ何もない、そういう時だから、そういう状態で見つかる可能性がある。だから、症状がないから検診に行かないという考え方は、大きな間違いです。症状があったら、検診ではなく受診、診察に行くということになります。
住  吉
そうですよね。あと、「見つかると怖いから検診に行かない」という方も多いと思います。
門  田
調査をすると、行かない理由は「時間がない」という表現の人が多いんですけど、「がんだったら怖いから」という理由で受診しない人もいるみたいですね。ある調査の結果として、そういう理由のところにしるしをつける人がいるということですけど、本当に検診を受けると考えた時に、そういうところで止まるということはあってほしくないし、ないのではないかなと思いますけどね。
住  吉
ちなみに、まだまだわからないこともたくさんあるんでしょうか?
門  田
わからないですよ。今ここまで進歩したと言いながらも、つい数日前に、全国のがん専門病院の5年生存率や10年生存率が出ていましたけれども、10年生存となると、50数%。半分以上の人は助かるけれど、半分近くの人は亡くなるという状況です。ですから、まだまだしなければならないことがある、ということは言えますね。
住  吉
同時に思うのは、わかっていることについては先生たちの知識を利用しない手はないと。
門  田
おっしゃる通りで、今の話は全ての早期がん、進行がんも全部含めて、10年生存率が何%かという計算です。その中は、進行がんなのか早期がんなのか、どれがどのぐらいなのかわからないので、進行するより前に見つければ、ステージ1で見つかると9割方は5年以上生存する、ステージ2でも8割は生存できると言われています。ですから、今やっているやり方でも、全てステージ1や2で見つかったら、ものすごく生存率が高くなるんです。
住  吉
そうですよね。門田先生が今リスナーに伝えたいことがあるとすれば…。
門  田
先ほど「がんが見つかったら怖いから」という表現がありましたけれども、がんは怖い病気ですよ。でも、怖いということと、怖がるということでは違うと思うんです。怖い病気だから、怖がらずに検診に行きましょうよと。そこの考え方を少し変えてみたらどうかなと思います。
住  吉
門田先生は、健康診断は受けていらっしゃいますか?
門  田
病院で働いているとしなければならないですからね。がん検診だけではなく、健診も1年に1回は受けなければならない。「皆さん受けましょう」と言っているのに、あの先生は受けていなかったとなったら恥ずかしいじゃないですか(笑)。
住  吉
では最後に、門田先生の「健康の秘密」を教えてください。
門  田
秘密かどうかわからないんですが…過去25、6年以上ずっと、毎朝納豆を食べているんです。効くとか効かないとか、健康だからというよりも、そういうことがずっと続いています。あとは、ヨーグルトも欠かさず毎日食べていたり、度を越さないように毎日お酒も飲んでいます。
住  吉
門田先生は『がんとの賢いつきあい方』というご著書もあります。今日のお話、さらにがん治療の最前線についても詳しく書かれています。朝日新書から発売中です。ぜひ手にとってみてください。門田守人さん、ありがとうございました!
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