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第56回 上原淳さん

第56回 上原淳さん

上  原
まず一番最初に考えるのは、命です。明日まで待って、他のところを受診してもらって良いのかどうか。今すぐに行かなきゃいけないのかどうか。その判断をして、待てそうであればお家に帰るのも選択肢だし、うちのクリニックで朝まで診るというのも選択肢です。
住  吉
その判断を毎日されているというのは、シビアな日々ですよね…。そういった、シビアで緊急性が高いというイメージの「救急医療」ですが、一方で、「健康診断」ともすごく関係があるということなんです。健康診断は、予防医療の一環で、真逆のイメージもありますが、上原先生の考える健康診断の重要性というのは?
上  原
健康診断を受けている方は最近すごく多いんですが、受けた結果で2パターンの人に分かれて。健康診断で何か引っかかった時に、それが心配で来てしまう人がいるんです。例えば、健康診断を受けて「心電図再検査」などと出るじゃないですか。そうすると、毎日それだけが心配になってしまう。人はだいたい夜になると心配が強くなるんですよ。だから、だんだん心配になって、救急病院に来てしまう人が結構いらっしゃいます。
住  吉
そこまで緊急性を要することでなくても、ということですね。
上  原
はい。あとは、救急で夜間運ばれてくる人の中には、健康診断は受けたけど放っておく、という人も結構いたりするんです。
住  吉
受けただけで安心して、結果はあまり見なかったり、再検査も忘れていたとか?
上  原
はい。「血圧がちょっと高いけど、まあ良いか。日々の生活に困らないし…」と放っておく人が、2年後、3年後に「胸が苦しい」と言って来たりすることがあります。
住  吉
なるほど。ではやっぱり、健康診断を受けたら受けたで、きちんとその情報を活かすということが大事ですね。ちなみに、上原先生は救急医療をバリバリやられていますけれども、意外だったのは、実家が本屋さんだと。なぜ医師を目指されたんですか?
上  原
僕が中学・高校ぐらいの時に、『ブラック・ジャック』などの医療ものの漫画が結構流行っていたんですよ。それに影響された部分はありますね。
住  吉
今思うと、その憧れ通りでしたか?
上  原
僕、卒業して最初に麻酔科医になったんですよ。手術の麻酔をするお医者さんだったんです。それはそれなりに面白かったんですけど、僕が思い描いていた医者とは若干違って、専門家だったわけです。やっぱり、困っている患者さんをみんな助けたいなと思って、それで救急に一歩足を踏み入れたら、これは面白いなと思って。
住  吉
では、ある意味『ブラック・ジャック』が今に活きているということなんですね。
上  原
そんな感じですね。
住  吉
でも、大変なことはたくさんありますよね。肉体的にもそうですし、目をそむけることができるならそむけたいようなことにもたくさん向き合ってきたのかなと思います。
上  原
そうですね。
住  吉
そのハードさと向き合うモチベーションと言いますか、「面白い」とおっしゃいましたが、そう思えるのは…?
上  原
以前僕が思い描いていた医師像に、おそらく救急医は一番近いんですよね。だから、それをやっている充実感というのはかなりありますね。
住  吉
ハードな日々だと思いますが…健康診断は受けていらっしゃいますか?
上  原
はい。うちの職員と一緒に僕も受けています。
住  吉
では最後に、上原先生の「健康の秘密」を教えてください。
上  原
これが一番難しいんですが…健康の秘密は、“自分より元気そうな人を見つけて、自分にもう1回気合いを入れ直すこと”ですかね。
住  吉
面白い! 具体的に、どうしてそれが健康に…?
上  原
例えば、健診を受けて「引っかかってしまった…」と落ち込んでいる人は、やっぱり具合が悪くなりやすいんですよ。
住  吉
救急医療の現場でもそうお感じになるということですか。
上  原
はい。考えがポジティブな人ほど病気になりにくいですね。
住  吉
やっぱりそうなんだ! 先生がおっしゃると説得力がありますね。上原淳さん、ありがとうございました!
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