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第64回 尾上右近さん

第64回 尾上右近さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、歌舞伎俳優の尾上右近さんです。
尾  上
よろしくお願いいたします。
住  吉
右近さんは東京都出身で、1992年、江戸浄瑠璃・清元宗家七代目清元延寿太夫の次男としてお生まれになりました。曾祖父で名優の六代目尾上菊五郎さんに憧れて歌舞伎俳優を目指し、7歳で初舞台を踏みました。若手歌舞伎俳優のホープでもいらっしゃいます。さらに今年1月には、清元の名前も襲名されたとか?
尾  上
そうなんです。僕は実家が、清元という歌舞伎の音楽の仕事の、宗家の家に生まれたんですが、歌舞伎俳優に憧れてずっと歌舞伎の役者をしていました。ですが今年1月に、実家の音楽の方の名前も継がせていただいたので、今は二足のわらじという形で道を歩ませていただいています。
住  吉
ということは、音楽の方もお勉強やお稽古をされたり、舞台をお踏みになったりも?
尾  上
そうですね。唄の方は舞台の経験が全然なかったんですけれども、実家の仕事なので小さい時からずっとお稽古はしてきていて、役者としての踊りのお稽古と実家の清元の唄のお稽古とどっちもやってきました。そういう意味では二足のわらじをずっと履いてきてはいたんですが、舞台でプロとしては唄の経験はなかったので、これからその修行を本格的にしていくということを今年スタートしたんです。
住  吉
両方の経験を積むというのは大変で厳しくもあると思いますが、きっとわくわくする幸せなことでもありますよね。
尾  上
そうですね。今まで前例がなくて、初めてなんですよ。どうなるかわからないことや不安ももちろんありますけど、その分やりがいもあるし、僕は先が見えないことの方がわくわくして前に進める質なので。
住  吉
昨年のスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』では、怪我で降板された市川猿之助さんに代わって、主役のルフィを務めあげましたが、あの時も急きょだったので、予想もできないし先もどうなるかわからずに日々お務めになったのではないでしょうか?
尾  上
そうでしたね。ただあの時は、猿之助のお兄さんが若手公演として『麦わらの挑戦』という舞台を用意してくださっていて、僕はそこでルフィをさせていただきました。その若手公演が開いた初日の次の日に事故があって。僕自身としては、一度ルフィとしての経験をさせていただいた後の出来事だったので、代役といっても、何もわからない状態から急きょ、ということではなかったです。
住  吉
何事もご縁で…あとは助け合いですね。
尾  上
本当に僕はそういう意味では、恵まれていると言ったらおかしいですけれども、支えてもらっているし、ついているなというところもたくさんありますね。
住  吉
そして右近さんは、今年も先の見えぬ挑戦をされると聞いております。舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』。ストレートプレイですけれども、ストレートプレイ自体が初挑戦だと。
尾  上
そうなんです。今お稽古中なんですけれども、できないことが多くて、へこむことばかりで…。
住  吉
どんなことが難しいですか?
尾  上
基本的に着物を着ないでお芝居をすることがあまりなくて。『ワンピース』の経験があるとはいえ、やはり歌舞伎をベースに動いているところがありましたし、演出もそういう色が強いところもあったので。意識の問題もあるんでしょうけれども…。
住  吉
動き方なども…?
尾  上
もう本当に…ポケットに手を突っ込むしか手のやりどころがない(笑)。
住  吉
そうか、手のやりどころ…!
尾  上
そうなんです。戦争に行った時に足を負傷したという役なので動きにも若干の制約があって、それが非常に難しいです。
住  吉
セリフはいかがですか?
尾  上
セリフのテンポも違うし、言葉もカタカナが多いし、そういう部分では戸惑いが多いです。ただ歌舞伎の場合は、全体稽古が4日間、5日間ぐらいで、僕だけだったら本当に恥ずかしい問題なんですが、若手のうちはわかっていないこともそのままやるしかないし、自分の中で折り合いがついていなくてもとにかく初日は開くので、勢いで行くようなところがありました。でも、この1ヶ月間のお稽古があると、そういう疑問も一つひとつ皆さんと共有しながら解決して腑に落としていくという作業があるので、そこでチームワーク感ができあがっていくところもあると思います。
住  吉
舞台があったり、清元のお名前を襲名されたり、今年も様々動き回っていらっしゃると思うのですが、ここからは、そんな中でのライフスタイルや健康のお話を伺いたいと思います。今、年間何日ぐらい舞台に上がっているんですか?