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第69回 山本雄士さん

第69回 山本雄士さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、株式会社ミナケアの代表取締役で医師の山本雄士さんです。
山  本
よろしくお願いします。
住  吉
山本さんは内科医の経験を活かしながら、企業や団体、個人に向けて、「健康」「病気の予防」に関するコンサルティングを行っています。今日のキーワードは「コラボヘルス」です。まず「コラボヘルス」とは何かを教えてください。
山  本
「コラボヘルス」は、コラボレーション(協力)とヘルス(健康)・ヘルスケアの両方の意味を持った造語で、協力して健康づくりをしていきましょう、という言葉です。
住  吉
その協力する人たちというのは、一緒に仕事をしている仲間ということですよね。
山  本
そうですね。元々のコラボヘルスの意味は、企業とその企業が加入している健康保険組合や協会けんぽが協力して健康づくりをしていこうという意味なんですが、どちらも組織なので、その中にいる人たちが動いて初めて意味があります。そういう意味では、同僚や会社のみんなでお互いの健康に気をつけていこう、という取り組みです。
住  吉
組織同士だから個人は関係ないということではなく、従業員それぞれの健康をどう維持していくかということですね。
山  本
そうです。そこから広げて、みんなが会社員ではありませんから、地域と個人であったり、家族と個人であったり、そういう人間関係の中で健康というものをもっと大事にしていこう、という意味合いも含めて考えています。
住  吉
働き方改革の推進とも関係がありますか?
山  本
そうですね。働き方改革というと、働き方をどちら向きに変えていくのかというのがわかりづらい言葉ではあるんですが、健康経営という言葉も最近言われるように、人が集まって組織ができた中での経営のあり方、運営のあり方に、健康という要素をもっと入れていこう、それが社会を活性化させる、という考え方なんです。
住  吉
ひと昔前は、健康は自己管理、自己責任と言われていましたが、それもずいぶん変わったということですね。
山  本
はい。そこが一番大きく変わっているポイントかなと思います。個人だけの責任ではなく、実は健康が周りの人にも大きな影響を与える、ということが知られつつあります。例えば、保険者(協会けんぽや健康保険組合)、皆さんが持っている保険証は、健康保険料を毎月払って初めて成り立つんですが、集めたお金をどうしているかというと、同僚の医療費に使われていくわけです。ですから、隣に座っている仲間の健康を守ることが、実は医療費の出費を減らして、自分の給料を守ることにも繋がります。単純に「病気になると気の毒だし、健康の方が良い」というだけではなく、お金の問題、自分のお財布とも連動しているということが知られつつあります。
住  吉
あと、1人が職場で倒れると、周りの人たちはその業務のカバーという点でも大変な経験をした方も多いと思います。今、介護や子育ても並行してやる中で、ちょっとした負担がものすごく影響を与えてしまうという意味でも、みんな健康で一緒に頑張ろうという気持ちになりますよね。
山  本
そうなんです。なので、これまではどちらかというと「病気になっても病院があるから大丈夫」「健康保険があるから大丈夫」という考え方だったのが、「健康を守る」ということの方が「病気になったら大丈夫」よりも大事な価値観だということに国も気づき出していますし、会社や地域もそこにもっと目を向けようということが、コラボヘルスの大きな原動力になっていると思います。
住  吉
ここからは、コラボヘルスの実例についても伺いたいのですが、コラボヘルスの取り組みというと、どんなものがあるのでしょうか?