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第77回 森田豊さん

第77回 森田豊さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、医師で医療ジャーナリストの森田豊さんです。
森  田
よろしくお願いいたします。
住  吉
今日はリスナーの皆さんから、口コミで広げたいことや影響を受けたこと、周りで口コミになっていることなどを寄せていただいているんですが、森田先生は何かありますか?
森  田
これから涼しくなるじゃないですか。風邪やインフルエンザが流行するんじゃないかなと。それも大流行するんじゃないかなと、心配ですね。
住  吉
なるほど。それは今年の猛暑と関係があるんですか?
森  田
暑かったじゃないですか。その後、今はちょっと涼しいじゃないですか。体がバテバテの方がすごく多いんですよね。免疫力や抵抗力も衰えているんじゃないかなと。だから、風邪やインフルエンザのシーズンになった時に流行するんじゃないかなと。
住  吉
では、医師仲間の間では気をつけていこうと?
森  田
そうですね。だから身体も八分目。遊びも仕事もほどほどにした方がいいんじゃないかなと思います。
住  吉
休みをたくさん取ったりとね。さて今日は、「知っておきたいお酒の医学」というテーマです。秋は食べ物が色々と美味しくて、お酒も進んでしまう…ということもあると思うんですが、お酒については健康と絡んで知っておいた方が良いことがたくさんあるかなということで、今日はお酒に関するクイズを出していただきます。

Q1 寝ているより起きている方がお酒は分解されやすい。(YES or NO)
住  吉
「YES」だと思います。なぜかというと、お酒を飲んですぐに寝ると、起きた時に体調が…。一生懸命起きているとまだマシになっているというか、スッキリしている気がするので、起きていた方がマシになるんじゃないかと。
森  田
正解ですね! 起きている方がお酒は分解されやすいんです。住吉さんの経験、これが全てですよね。研究によると、お酒を飲んだ後5時間起きていた場合と、5時間のうち4時間は寝ていた場合、この両者を比較したら、5時間起きていた方がアルコールの分解が約2倍早かったということです。だから、お酒を飲むなら早めに飲んで、その後しばらくは起きていた方がアルコールの分解は早いんです。逆に飲んですぐ寝てしまうと、寝ている間の分解は遅いんですよね。
住  吉
それは身体の中の仕組みで?
森  田
なぜなのかはよくわかっていないんですが、おそらく起きていた時の方が代謝が良いということなんだと思いますね。ちなみに、アルコールが分解されるのにどのぐらい時間がかかるかというと、かなり時間がかかるんですよね。個人差はありますが、缶ビール2缶700mlを飲みますと、だいたい身体の中に4時間半は留まっていると言われています。
住  吉
では自分で感じる以上に…。
森  田
そうですね。
住  吉
お酒に強い、弱いというのは関係がありますか?
森  田
あります。日本人は欧米人に比べてお酒に弱いと言われていますから、1回寝てから飲酒運転で捕まるという方が、検挙される全体のうちの40%もあると言われています。
住  吉
なるほど。つまり寝たからいいだろうと思ったら、寝ている方がアルコールの分解は進んでいないということですね。
森  田
はい、それもありますし、とにかく飲み過ぎは良くないということですね。

Q2 適度なお酒は認知症の発症リスクを下げる。(YES or NO)
住  吉
“適度”という言葉が怪しいな…。「NO」!
森  田
正解は「YES」です。適度というか少量です。少量のお酒がアルツハイマー病、認知症の予防に効果があると報告されているんです。どのくらいの量かと言うと、ビールだと1週間で中瓶1本~6本と言われていますので、だいたい1日1本以内です。それが“適度”な量ということです。グラスのワインだとすると、1日だいたい2~3杯です。そうすると、アルツハイマー病になるリスクが4分の1になると。ただ、飲み過ぎると良くないですよ。飲み過ぎると逆に認知症のリスクが高まります。例えば、月に1回以上飲んで騒ぐ経験のある人はリスクが3倍。
住  吉
1日の量が多いと、1日でもダメなんですね。
森  田
そうですね。
住  吉
あまりお酒が飲めない人は、認知症のリスクを下げられないんですか?
森  田
例えば、ビールを1杯飲むだけで顔が赤くなるという方は、絶対に飲んではいけないです。食道がんのリスクが60倍以上になってしまいます。
住  吉
1日1本飲んだ方が良いから…と飲めないのに無理して飲まなくても良いと。
森  田
その通りです。飲んでも顔が赤くならない人は、適度なお酒であればアルツハイマー病を予防できる可能性があるということです。

Q3 1週間に1日はお酒を飲まない日「休肝日」を作った方がいい。(YES or NO)
住  吉
これは「YES」でしょ!
森  田
いや、「NO」なんです。諸説あるんですが…日本の社会では休肝日を取ることが良いと言われていますが、世界的に見ると、迷信のような扱いをされているんです。ちなみに、休肝日をつくっている人の多くが「僕は休肝日をつくっているから、別の日はしっかりと飲める」と言っているんです。実際に肝臓の働き、肝臓のダメージを決めているのは1週間で飲むお酒のトータルの量なんですよね。だから休肝日をつくるという心理的効果はあるかもしれませんが、その分、他の日に飲んでしまうとダメなんです。
住  吉
ではそれよりは、健全な量を毎日飲んだりして、毎日飲んでいるからそんなにたくさん飲まないでおこう、という方が良いんですね。二日酔い対策で何か良い方法はありますか?
森  田
食べ物の中で今注目されているものが2つあって、まず「トマト」ですね。お酒を飲んでいる時でも飲んだ後でも良いんですが、トマトやトマトジュースを飲むとアルコールの分解が3割ぐらい早くなるという研究があるんです。あとは「はちみつ」ですね。二日酔いの時の頭痛に効果的なのがはちみつ。アメリカの頭痛財団というところが発表しています。スプーン1杯か2杯、そのままなめても良いし、トーストに塗っても良いし、紅茶に入れても良いというふうに考えられていますね。