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第92回 中村隼人さん

第92回 中村隼人さん

住  吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、歌舞伎俳優の中村隼人さんです。あけましておめでとうございます。
中  村
あけましておめでとうございます。
住  吉
Blue Oceanにご登場いただくのは3回目です。隼人さんは、中村錦之助さんのご長男でいらして、平成14年に初代隼人を名乗って初舞台を踏んでいらっしゃいます。今日お話を詳しく伺いたいと思っています、『新春浅草歌舞伎』。スタートしたばかりですが、8年連続8回目のご出演になるそうですね。正真正銘、二枚目の立役ということで、スーパー歌舞伎『ワンピース』や新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』などでも活躍していらっしゃいます。
中  村
登竜門みたいな感じになっていますね。
住  吉
毎年演目が違っていて、今年は昼と夜の2部ありますが、どういった演目になっていますか?
中  村
今年は、第1部が踊りから始まって、その後に尾上松也さんが主演の『源平布引滝 義賢最期』という源平合戦のお話がありまして、その次が『芋掘長者』という舞踊作品なんですが、第1部は割と舞踊メインです。第2部は、まずは『寿曽我対面』という敵討ちの作品なんですが、江戸時代、この“曽我物”を1月に観ると縁起がいい、と言われていた演目です。そしてその次が、私が主演を務めます『番町皿屋敷』という作品で、「1枚…2枚…」という怪談話が結構有名だと思うんですけれども、それを岡本綺堂という方が歌舞伎に書き直したものなんです。
住  吉
では、怪談なんですか?
中  村
怪談話の伝説を基に作って、それを恋愛模様にしたという感じの作品です。その後の『乗合船惠方萬歳』という作品は、浅草歌舞伎出演者全員が色々な役で踊って最後を締めくくる、という構成になっています。
住  吉
今の説明を聞いただけでわかるんですが、本当に色々なことをしないといけないですよね。踊りだけでもないし、演技も演目によってずいぶん違うと思うんですけれども、隼人さんはまずお昼の部で『義賢最期』に出演されると。どんな役どころですか?
中  村
僕は「下部折平実は多田蔵人」という、お殿様に仕えている役なんですけど実はもっと偉い侍で、身分を隠していた、という人物です。これは、平家優勢の時代に源氏の武将たちがどうやって家を復興していくか、というところで、力を砕いていく物語になっています。
住  吉
そして第2部は、全部の演目にご登場?
中  村
そうなんです。僕、第2部は全部に出ているんです。
住  吉
しかも真ん中の演目が主役という。大変ですね…。
中  村
そうですね。今月は4本に出させていただいています。
住  吉
すごい…! これはご自身の中でも多い方ですか?
中  村
いえ、だいたい毎年4本出ているんですけど、今回『番町皿屋敷』という作品はすごく思い入れがあって。青山播磨というお殿様と、その召使いであるお菊という女性の、身分を超えた恋愛がテーマになっています。すごく務めてみたかった役で、まさか1月からできると思っていませんでした。
住  吉
皆さんだいたい初めて挑む役ばかりなんですか?
中  村
そうですね。なぜ若手の歌舞伎俳優の登竜門になっているかと言いますと、浅草は、20代ぐらいの役者が集まって、今まで1回も経験したことのない大役を経験していくという場なので、みんな各々やりたい演目というか、会社の方におすすめしていただいたものを僕らで選んで務めています。
住  吉
では、年末は準備で大変だったんじゃないですか?
中  村
そうですね。12月27日からお稽古が始まったんですけど、生きている心地がしませんでした。