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胃がん検診‐50歳以上は2年に1回、画像検査を受けよう

胃がん検診‐50歳以上は2年に1回、画像検査を受けよう

がんで亡くなる人のうち、男性の第2位、女性の第3位が胃がんです。胃X線検査で見つかる胃がんの約70%は早期の胃がんであり、早期であれば5年生存率は90%以上と非常に高くなっています。手遅れにならないためには、定期的に胃がん検診を受け、早期発見・早期治療に努めることが肝心です。

胃がん検診の流れ

国の指針によって推奨されている胃がん検診の内容は、「問診に加え、胃X線検査または胃内視鏡検査のいずれか」です。対象者と受診間隔は「50歳以上、2年に1回」とされています(当分の間、胃X線検査については40歳以上、年1回実施可)。

●問診
現在の病状、既往歴、家族歴、過去の検診の受診状況等を聞かれます。

●胃X線検査
レントゲン検査のことです。造影剤のバリウムと、胃を膨らませる発泡剤を飲み、体位を変えながらX線を照射して撮影します。胃の形や粘膜表面の状態に、変化や異常がないかを確認できます。

 

(X線画像提供:医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ)

●胃内視鏡検査
いわゆる「胃カメラ」です。直径5~10mm程度の細い管の先端に小さな検出器のついた内視鏡を口または鼻から挿入し、食道、胃、十二指腸の内部をモニターに映して観察します。病変の大きさや形、色、出血の有無などを確認できるほか、必要に応じて、組織の一部を内視鏡の鉗子で採取して調べます(生検)。

経口内視鏡の場合、嘔吐反射が起きることがあり、苦痛を感じる人もいるため、鎮静剤を利用する場合があります。経鼻内視鏡は嘔吐感がなく、挿入時の苦痛が少ないのがメリットですが、解像度の高さや視野の広さでは経口内視鏡の方が優れています。

 

(内視鏡画像提供:医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ)

なお、胃X線検査では、バリウムが誤って気管に入ってしまったり(誤嚥)、バリウムがなかなか排泄されずに便秘になったりすることがあります。排便困難な場合は、腸閉塞の危険があるので、受診後の注意事項をよく守りましょう。被ばくの影響はほとんどありませんが、他の放射線検査と同様に妊娠中や妊娠の可能性がある人は受けられません。

※内視鏡検査では、非常にまれですが、前処置に用いられる薬剤によるショック症状や、生検を行った際などの出血や穿孔といった偶発症が起こる危険があります。医療機関では、そうしたリスクを回避するための予防策や対応策をしっかりと準備しています。

 

安田 聖栄 先生

監修者 安田 聖栄 先生 (医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ 理事長 兼 健診センター長
東海大学医学部客員教授)
1977年大阪大学医学部卒業、2008年東海大学医学部消化器外科教授、同付属病院副院長、2016年より四谷メディカルキューブ理事長。日本外科学会、日本消化器外科学会、指導医・専門医。著書は『最新のがん検診がわかる本』(法研)、『一般診療医のためのPET画像の見かた』(金原出版)、『エッセンシャル医療安全』(金原出版)、『がんのPET検査がわかる本』(法研)など。