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大腸がん検診‐ごく簡単な検査で早期発見が可能

大腸がん検診‐ごく簡単な検査で早期発見が可能

要精密検査といわれたら…

便潜血検査で、採取した便のいずれもが「陰性」と判定された場合は、ひとまず安心です。ただし、「陰性」であったとしても、100%大腸がんを否定できるわけではありません。翌年以降も年1回、定期的に大腸がん検診を受診することが大切です。

採取した2つの便のうちどちらか1つでも血液が見つかると、「陽性」と判定され、精密検査が必要となります。

大腸がんの発見に有効なのが、大腸内視鏡検査です。直径約1㎝の細い管を肛門から挿入し、大腸の内部をモニターに映し出して観察します。病変が見つかれば、その一部を採取して、悪性度を調べます。食事制限や下剤の服用など、検査前日からの準備が必要となります。

そのほか、直腸がんを調べる直腸診、大腸の様子をX線で撮影する注腸造影検査、がんの広がりや転移の有無などを調べる検査(CT、MRI、超音波、胸部X線、PET)などがあります。

 

早期発見のために、毎年受診を。陽性の場合は、必ず精密検査を受けよう

大腸がんは、早期であれば90%以上が完治するがんです。にもかかわらず、年間4万人以上もの人が大腸がんで亡くなっています。その原因のひとつとして、検診の受診率の低さが指摘されています。

協会けんぽでは、大腸がん検診は被保険者の一般健診項目に含まれています。被扶養者は、自治体などが行っている検診で受診しましょう。便潜血検査は、がん検診の中ではもっとも安価なもののひとつで、1000円以下で受けられる自治体も多いようです。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口に直接問い合わせてください。

また、「恥ずかしいから」というためらいや「たぶん痔のせいだろう」という思い込みから、精密検査の受診を先延ばしにしてしまう人が少なくありません。便潜血反応が陽性であっても、必ずしも大腸がんがあるとは限りませんが、早期発見のためにも、そして不安を取り除くためにも、陽性と判定された場合は、必ず精密検査を受けるようにしましょう。

 

安田 聖栄 先生

監修者 安田 聖栄 先生 (医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ 理事長 兼 健診センター長
東海大学医学部客員教授)
1977年大阪大学医学部卒業、2008年東海大学医学部消化器外科教授、同付属病院副院長、2016年より四谷メディカルキューブ理事長。日本外科学会、日本消化器外科学会、指導医・専門医。著書は『最新のがん検診がわかる本』(法研)、『一般診療医のためのPET画像の見かた』(金原出版)、『エッセンシャル医療安全』(金原出版)、『がんのPET検査がわかる本』(法研)など。