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子宮体がん検診-自覚症状のある人は検討を

子宮体がん検診-自覚症状のある人は検討を

子宮がんのうち、子宮内膜から発生するのが子宮体がんです。一般的な子宮がん検診では、子宮体がんの検査は含まれていないため、必要に応じて検査を受けるかどうかを検討します。子宮体がんは自覚症状で気づきやすい特徴があるので、特に、閉経前後で不正性器出血などの自覚症状がある人は、医師に相談のうえ、検討しましょう。

子宮体がんは閉経前後が発生のピーク

子宮がんは、子宮の入り口(頸部)にできる「子宮頸がん」と、子宮の内側にある子宮内膜から発生する「子宮体がん」の2つに大別されます。一般に、職場や自治体で「子宮がん検診」として行っているのは、子宮頸がんの検査であり、子宮体がんの検査は含まれていません。子宮内膜の細胞を適切に採取することは、子宮頸部の細胞採取よりむずかしいためもあります。

子宮体がんは40代から増え始め、50~60代の閉経前後でもっとも多く発生します。おもな自覚症状は不正性器出血で、褐色のおりものだけがみられる場合もあります。

子宮体がんの約8割は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの長期的な刺激が関係していると考えられています。すなわち、初潮年齢が早い、閉経が遅い、妊娠・出産歴がない、乳がんの治療でタモキシフェン(抗エストロゲン薬)を長期服用している、更年期障害の治療でエストロゲンの補充療法を受けている、といったことがリスク要因として挙げられます。そのほか、肥満、糖尿病、高血圧、脂肪分の多い食事、遺伝性(リンチ症候群)も危険因子になるとされています。

以上のことから、最近6カ月以内に不正性器出血や褐色のおりもの、月経異常といった症状がみられた人や、前述したリスク要因のある人は、医師と相談のうえ、子宮体がん検診を受けるかどうか検討してください。

子宮体がん検診で行われる検査

●子宮内膜細胞診
子宮内膜に異常がないかを調べる検査です。細い器具を子宮内に挿入して子宮内膜の細胞を採取し、顕微鏡で観察します。

この検査では、多少の痛みや出血を伴う場合があります。また、検査後の数日、少量の出血がみられることがありますが、通常は心配ありません。

子宮内膜細胞診では、初期のがんを発見できる可能性が高く、生存率も良好とされています。一方で、子宮頸部細胞診と比べると、正しい診断ができる確率は低いことが指摘されています。

●経腟超音波検査
高齢の人や出産経験のない人では、子宮口が狭くなっていたり、閉じてしまっていて、子宮体部に器具を挿入するのが難しいことがあります。そのような場合には、経腟超音波検査という方法もあります。これは、子宮体がんになると子宮内膜の厚みが増してくることが多いため、超音波を発する器具を膣内に入れて、子宮内膜の厚みを調べるというものです。

経腟超音波検査も有用な検査のひとつではありますが、閉経前では判断が難しかったり、初期のがんは見逃される可能性がある、といった問題があります。

安田 聖栄 先生

監修者 安田 聖栄 先生 (医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ 理事長 兼 健診センター長
東海大学医学部客員教授)
1977年大阪大学医学部卒業、2008年東海大学医学部消化器外科教授、同付属病院副院長、2016年より四谷メディカルキューブ理事長。日本外科学会、日本消化器外科学会、指導医・専門医。著書は『最新のがん検診がわかる本』(法研)、『一般診療医のためのPET画像の見かた』(金原出版)、『エッセンシャル医療安全』(金原出版)、『がんのPET検査がわかる本』(法研)など。