腫瘍マーカー検査─特性と役割を正しく理解しよう
腫瘍マーカー検査は、採血だけで手軽に測定できる検査です。ただし、この検査は前立腺がんを除いては、早期がんの発見にはあまり役立ちません。検査の特性と役割を正しく理解したうえで、受けるかどうかを検討しましょう。
腫瘍マーカーとは
腫瘍マーカーとは、体内にがんがある場合に血液中に増加してくる物質のことで、採血で簡単に調べることができます。現在、臨床の場で実際に使われている腫瘍マーカーにはいくつもの種類がありますが、そのうち代表的なものをまとめたのが以下の表です。
AFP | 肝細胞がん |
---|---|
CA15-3 | 乳がん |
CA19-9 | すい臓がん、胆管がん、胃がん |
CA125 | 卵巣がん |
CEA | 大腸がん、胃がん |
p53抗体 | 食道がん、大腸がん、乳がん |
PIVKA-II | 肝細胞がん |
PSA | 前立腺がん |
SCC | 食道がん、肺がん、子宮頸がん |
(安田聖栄「がんのPET検査がわかる本」、2015年、法研より作成)