健康サポート特集・メタボ予防

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特集1 メタボ予防 今日から使える―メタボ脱出テクニック
2月2日配信
連載第3回

NEATでメタボ予防。こまめに動いて体脂肪を燃やそう!

 メタボリックシンドローム(以下メタボ)対策では、食事のコントロールだけで体脂肪を減らそうとするより、運動も組み入れたほうが有効です。週に数回、定期的な運動を実行するのが理想的ですが、長続きしないのも事実です。運動とはいえないような日常の何気ない動きでも、積み重ねれば減量や運動効果が得られ、メタボや糖尿病を防げることがわかっています。
【監修】 森谷敏夫先生 京都大学大学院 人間・環境学研究科 応用生理学研究室教授

こまめに体を動かして、NEATを増やそう

メタボ対策には激しい運動は必要ありません。ウオーキングやジョギング、自転車乗りのような有酸素運動を行うほうが、体脂肪を燃焼させるには適しています。そうは言っても、毎週決まったスケジュールで続けるのは、簡単ではありません。

運動する時間が取れない人や運動が苦手な人に、朗報があります。NEAT(ニート)を増やせば、メタボや糖尿病を防げるというのです。NEATとは、「Non-Exercise Activity Thermogenesis(非運動性活動熱産生)」の頭文字で、「日常の生活活動で消費されるエネルギー」のこと。米国の運動・医科学の権威者ハミルトンは、特別な運動をしなくても、NEATを増やせば、メタボや糖尿病を防ぐことができるという研究結果を発表しました。

こんなNEAT習慣を身につけよう

NEATを増やすには、こまめに動くことが大切です。言い換えれば、あえて無駄な動きをすることがコツです。エネルギー消費量は、立っているだけで安静時より1.2倍、歩けば3倍にアップします。巷のどんなダイエットサプリより遥かに効果的なのです。

運動をなかなか習慣化できないという人は、以下のように普段の生活や仕事の場面などでこまめに体を動かすことをおすすめします。少ない消費エネルギーも、起きている約16時間に積み重ねれば大きな効果が期待できます。

【NEATを増やす日常活動】
  • 通勤ではバスや電車の一駅分を歩く
  • 駅や歩道橋など、積極的に階段を使う
  • 職場でもエレベーターは使わず、階段を使う
  • 仕事でもプライベートでも、用事があれば自分から出向く
  • トイレは、階段を使ってほかのフロアーへ行く
  • 昼食は、少し遠くの店へ行く
  • 職場でのコピー取りやファックスは、自分で行う
  • 職場でスタッフを呼ぶより、自分から行って話す
  • 自宅では、お茶入れ、食器下げ、電話取り、新聞・郵便物取りなど、何でも自分で動く
  • 休日は家のそうじをする
  • そうじには電気そうじ機を使わずホウキで。床ふきは雑巾がけをする
  • 電気製品のスイッチ操作に、リモコンは使わない
  • 電気製品のコードの差し込みや引き抜きをこまめに行う
  • ペットと散歩する
    など

【こんなことでも、NEATが増える】

  • 背すじを伸ばす
    パソコンに向かうときは猫背にならないように/歩くとき、立っているときは頭上から吊り下げられているイメージで
  • 立っている時間を増やす
    通勤車中では空席があっても座らない/ごろ寝でテレビは見ない
  • 食事は一口ずつよく噛む
    噛んでいるときは安静時よりエネルギー消費量が20%アップ/満腹感も得られやすい

以上、いろいろご紹介しましたが、どれも生活や仕事の場面で必ず直面するシーンです。これなら「運動しなくっちゃ……」と身構えなくてもできるのではないでしょうか。

【監修】 森谷敏夫(もりたに としお)先生
      京都大学大学院 人間・環境学研究科 応用生理学研究室教授

1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授、京都大学教養部助教授(准教授)、カロリンスカ医学研究所国際研究員(スウェーデン政府給付留学)、米国モンタナ大学生命科学部客員教授などを経て、1992年、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授(准教授)、2000年から現職就任。専門は応用生理学とスポーツ医学。国際電気生理運動学会会長、アメリカスポーツ医学会評議員、日本運動生理学会理事ほか、複数の要職兼務。主な著書は『メタボにならない脳のつくり方』『人は必ず太る しかし 必ずやせられる』ほか。