文字サイズ

氾濫するダイエット情報に惑わされないで

氾濫するダイエット情報に惑わされないで

メタボリックシンドローム対策の基本は内臓脂肪を減らすこと、つまり「内臓脂肪型肥満」の解消です。肥満解消にダイエットは大切なのですが、食べないダイエットは危険であったり、効果が出なかったりします。ダイエットの基本は、食事のコントロールと運動の組み合わせ。世の中に氾濫するさまざまなダイエット情報に惑わされないで、ダイエットの基本を押さえて、実行しましょう。

朝食抜きは太ります

現代人は「朝の時間がない」「食欲がない」「めんどうだ」「ダイエットのため」などを理由にして、朝食を抜く人が多いことが指摘されています。それでは、朝食抜きは摂取エネルギーの削減に貢献するのでしょうか。答えは「ノー」です。

朝食を食べないと、血糖値が低下します。それを補おうとして昼食の量は多くなりがちです。また、前夜の夕食からの長い空腹の時間は体に飢餓の危機を感じさせ、摂取した脂肪をため込もうとするのが太古から飢餓に悩まされてきた人間の体の自然な反応です。その結果は、朝食分も補うような多めの昼食をかき込み、効率よく脂肪としてため込んでしまうことになりかねません。つまり、当初のダイエットの目的とは見事に反してしまうのです。

主食を減らしすぎると脳が働かない

主食を減らすという方法も、よく行われます。ごはん、パン、めん類などは見た目に重量感とかさがあり、いかにもエネルギーの塊のようです。事実、日本人は1日の総摂取エネルギーの60パーセント近くを炭水化物から得ています。炭水化物とは糖質と食物繊維が一体になったもので、要するに米や小麦粉などです。ですから、主食カットでダイエットを成し遂げようという発想は理屈として間違ってはいません。問題はカットするとなると全くとらない、という極端なスタンスです。

主食の主な栄養素である糖質は、消化・吸収されブドウ糖の形で血液に乗って体の隅々に運ばれ、エネルギーとして利用されます。特に脳にとって、ブドウ糖は唯一のエネルギー源です。それが補給されなければ、集中力が低下し、作業能率も落ちてしまうでしょう。朝から元気がなくボーっとしているような人は、朝食抜きが原因であることが濃厚です。

食事コントロールと運動で内臓脂肪蓄積を防ぐ、これが王道

朝食抜きや主食減らしのほかにも、ちまたにはさまざまなダイエット法が紹介されています。ただし、一つのことを集中して行うようなダイエット法はあまり感心しません。

ダイエットの基本は食事のコントロールと運動の組み合わせです。エネルギーは抑えぎみだけど栄養バランスのとれている3食、それに定期的な運動によるエネルギー消費のアップ、これが体調を維持しながら内臓脂肪の蓄積を防ぐ王道です。

小池 澄子 先生

監修者 小池 澄子 先生 (管理栄養士、料理研究家)
女子栄養大学生涯学習講師ほか、複数の大学で非常勤講師を勤める。食と自然と人を結ぶネットワーク有限会社カナ代表。企業やクリニックで健康管理に関わ り、保育園や地域で子育て支援、栄養相談、離乳食教室、講演など行っている。栄養、料理、農場を通じて心と体と社会の健康を高める情報やレシピを提供し、 “命を繋げてゆく食”を柱に食育活動展開中。著書に『簡単でおいしいおやつ』(かもがわ出版)、『おいしい山歩き』(大月書店)、『ステップアップ離乳 食』(学習研究社)、『初めての離乳食』(ベネッセコーポレーション)、『黒豆健康生活』(青春出版)など多数。