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大豆でまめに健康づくり

大豆でまめに健康づくり

 暑さで食欲が今ひとつでも、「納豆」があればごはんが進む人もいるでしょう。冷やっこや枝豆も夏の人気者。夏の暑さに負けないための健康づくりに、そしてメタボ予防に、栄養バランスのとれた食事に加えて、大豆や大豆製品を活用しましょう。

良質なたんぱく質を豊富に含む「畑の肉」

 夏ならではの味覚はいろいろあるでしょうが、晩酌好きのお父さんにとっての一番は「ビール&枝豆」ではないでしょうか。もっとも今や女性たちも、これで「クーッ!」とのどを鳴らしているようですが……。さて、今回のテーマは夏の晩酌、ではなく枝豆、というより大豆です。枝豆は大豆を未熟なうちに収穫したものということで、ついついこんな回りくどいイントロになってしまいました。
 大豆はよく「畑の肉」と賞賛されます。そのわけは植物性のたんぱく質が豊富なこと。その量は可食部100グラム当たり35.3グラム。これに対し同じ豆類でも、あずき20.3グラム、いんげん豆19.9グラム、えんどう21.7グラム、そら豆26.3グラム(以上、科学技術庁「五訂増補 日本食品標準成分表」より、全粒・乾燥品の含有量比較)と、大豆が頭一つ抜けています。  たんぱく質といえば、肉や魚など動物性たんぱく質が補給源として幅を利かせています。実際、ガッツがありそうなキャラクターを「肉食系」、反対にどこか控えめなほうは「草食系」などと比べられるのと同様に、植物性たんぱく質は今一つパンチに欠けるイメージがありました。
 ところがです。この大豆のたんぱく質は含有量が多いというばかりではなく、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。最近の栄養評価法では、たんぱく質を評価するモノサシであるアミノ酸スコアが、牛乳や卵のたんぱく質と並ぶ最高のスコアにランクされているのです。
 9種類ある必須アミノ酸は体内で合成することができず、食品から摂取しなければなりません。いわゆる良質のたんぱく質とは、この9種類の必須アミノ酸すべてをバランスよく含んでいる食品のこと。ということで、大豆は「肉食系」にも負けない「草食系」の優秀なたんぱく質補給源である、といえるのです。

さまざまな栄養素・健康効果・加工食品

 大豆にはたんぱく質のほかにもリノール酸やレシチンなどの脂質、B・E・Kなどのビタミン類、カルシウム・カリウム・鉄などのミネラル類、イソフラボンなどの微量成分、そして食物繊維などが含まれています。これらによって期待できる健康効果を挙げていくと、血中コレステロール低下、骨粗しょう症予防、更年期障害軽減、便通促進、肥満予防などいいことずくめ。
 さらにうれしいのは、大豆は加工されていろいろな食品として日本人の食生活に深く浸透していること。豆腐および豆腐の派生食品としての凍り豆腐・厚揚げ・油揚げのほか、納豆、みそ、しょうゆ、きな粉、豆乳、豆乳の皮膜であるゆば、豆乳の絞りかすのおからなどがあります。さらに、加工はしていないものに煮豆や大豆もやしとしても口にしています。
 こうみると、大豆がなかったら日本の食卓はずいぶんと寂しいものになりそうです。というより、私たちは日々の健康維持の大きな部分を大豆に依存していることがわかります。
 この夏も暑くなりそうです。暑さに負けないための健康づくりに、そしてメタボ予防に、大豆や大豆製品を活用して、栄養バランスのとれた食事で元気に乗り越えましょう。

小池 澄子 先生

監修者 小池 澄子 先生 (管理栄養士、料理研究家)
女子栄養大学生涯学習講師ほか、複数の大学で非常勤講師を勤める。食と自然と人を結ぶネットワーク有限会社カナ代表。企業やクリニックで健康管理に関わり、保育園や地域で子育て支援、栄養相談、離乳食教室、講演など行っている。栄養、料理、農場を通じて心と体と社会の健康を高める情報やレシピを提供し、“命を繋げてゆく食”を柱に食育活動展開中。著書に『簡単でおいしいおやつ』(かもがわ出版)、『おいしい山歩き』(大月書店)、『ステップアップ離乳食』(学習研究社)、『初めての離乳食』(ベネッセコーポレーション)、『黒豆健康生活』(青春出版)など多数。