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メタボや糖尿病を防ぐ日本型食生活

メタボや糖尿病を防ぐ日本型食生活

 欧米型食生活は、高エネルギー・高脂肪・高たんぱく。こういった食事を続けると肥満や生活習慣病の危険度が高まります。日本型食生活の基本である「一汁三菜」を目安に献立を揃えれば、栄養素のバランスがよくなります。また、食材選びや調理法を工夫し、脂肪を減らせばエネルギーダウンに。日本型食生活で、メタボや糖尿病を予防しましょう。

欧米で評価される主食・主菜・副菜の組み合わせ

 脂肪が比較的少なく食物繊維が多い和食(日本型食生活)が健康によいとして、欧米で注目されてから久しくなりました。米国で1980年代に始まった和食ブームが、「SUSHI」「TOFU」などを中心にいまだに続いているらしいということを聞くと、何だか面映い気がしないでもありません。
 というのも、当の私たち日本人自身が、和食のよさをどれだけわかっているのかとも考えられるからです。特にメタボリックシンドローム(以下メタボ)が気になる世代や、それよりも若い世代での食生活の欧米化を心配する声があり、「日本人の血中コレステロール値は、今や米国人よりも高い」という警告すら発せられています。メタボについての意識が高まっている今こそ、改めて和食の利点を取り入れていきたいものです。

 その利点を見直したい和食、すなわち日本型食生活とは、長い時間をかけて作り上げられてきた日本の伝統的な食事の形式です。日本人は、海と陸でとれるさまざまな食材を、生のまま、煮る、焼く、蒸す、炒める、発酵させる、などといったいろいろな方法で調理してきました。
 そのバリエーションの豊かさが日本型食生活の特徴の一つといえますが、さらに重要なことは、主食に、「主菜(メインのおかず一品)と副菜(小鉢2品程度)そして汁物(一品)」を組み合わせる食べ方にあります。これを古くから「一汁三菜」と呼んでいます。

 主食は米を中心とした穀類で、炭水化物を補給します。主菜から主にとるのはたんぱく質で、魚貝類や豆腐などの大豆食品が中心。副菜や汁物の材料は野菜、きのこ、豆類、海藻類などで、ビタミンとミネラル、微量栄養素、食物繊維などをとることができます。
 こうして主食、主菜、副菜、汁物を食卓に揃えると、自然にさまざまな栄養素をバランスよくとれることがわかります。といって私たちの先祖たちは、栄養素のバランスを考えてこれらの組み合わせを発明したわけではありません。1000年以上もの長い時間をかけ、この島国の風土のなかから日本人の体質に合った食の形を作り上げてきたのです。

ごはんと一汁三菜を揃えれば、食事バランスをとりやすい

 高エネルギー、高たんぱくの欧米の食事が、肥満や生活習慣病を招きやすいことがわかったとき、欧米諸国が注目した日本型食生活のポイントは、総摂取エネルギーに占めるたんぱく質と脂質、炭水化物のエネルギー量の割合です。それぞれ13%、25%以下、60%前後が適正とされ、脂質の比率が25~30%を超えると生活習慣病が増えるといわれています。西欧から注目された頃はこの適正割合に近かった日本ですが、最近はたんぱく質と脂質が増えています。

 日本型食生活のよさは、栄養学の知識などなくても、「主食と一汁三菜」を食卓に揃えるようにすれば、自然と必要な栄養素がバランスよくとれることです。
 特にポイントとなるのは、小鉢料理などの副菜を充実させること。副菜の食材となる野菜、豆類、海藻類などには、生活習慣病予防のために必要とされるビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれ、しかも低エネルギーだからです。「ごはんと一汁三菜」、こういった組み合わせの食卓がメタボを防ぎます。

小池 澄子 先生

監修者 小池 澄子 先生 (管理栄養士、料理研究家)
女子栄養大学生涯学習講師ほか、複数の大学で非常勤講師を勤める。食と自然と人を結ぶネットワーク有限会社カナ代表。企業やクリニックで健康管理に関わり、保育園や地域で子育て支援、栄養相談、離乳食教室、講演など行っている。栄養、料理、農場を通じて心と体と社会の健康を高める情報やレシピを提供し、“命を繋げてゆく食”を柱に食育活動展開中。著書に『簡単でおいしいおやつ』(かもがわ出版)、『おいしい山歩き』(大月書店)、『ステップアップ離乳食』(学習研究社)、『初めての離乳食』(ベネッセコーポレーション)、『黒豆健康生活』(青春出版)など多数。