健康サポート特集・メタボ予防

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特集1 メタボ予防 今日から使える―メタボ脱出テクニック
1月7日配信
連載第26回

善玉コレステロール(HDL)を増やそう

 HDLは血管壁に溜まったコレステロールを回収し、動脈硬化を予防してくれる「善玉コレステロール」。数値が40mg/dlを下回ると、動脈硬化発症のリスクが高くなります。メタボリックシンドロームや喫煙はHDLを下げる危険因子。生活を改善して、HDLを上げる習慣を身につけましょう。
【監修】 荒木葉子 先生 産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長

悪玉値が正常でも善玉値が低いと危険

健康管理のうえで何かと目のカタキにされるコレステロールですが、「悪玉」と「善玉」の2つのタイプがあることを知っていますか?  悪玉はLDLコレステロール、善玉はHDLコレステロールと呼ばれます。

特定健康診査(メタボ健診)では、「中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロールは40mg/dl未満だと改善の必要がある」と判定されます。LDLコレステロールがメタボリックシンドロームの診断基準に入っていないのは、単独でも動脈硬化に対して主役級だからです。悪玉は多すぎてはダメ、逆に善玉は少なすぎてはダメということです。実は、悪玉であるLDLコレステロールの数値が正常の範囲内であっても、善玉のHDLコレステロールの数値が低いと、動脈硬化のリスクが高まることがわかっています。そこで、HDLコレステロールを減らさない、さらには増やすことの重要性が指摘されています。

働き方の違いが悪玉と善玉とに分ける

血液中のコレステロールに2つのタイプがあるといって、成分そのものが異なっているわけではありません。コレステロールは油なので、そのままの形では血液中に溶け込めません。そのため、「リポたんぱく」というたんぱく質のカプセルにくるまれて血液中に存在しているのです。

1つは、LDLというリポたんぱくにくるまれています。これらは体のすみずみに運ばれて細胞膜などを作る材料になりますが、多すぎると血管の内壁に入り込んで動脈硬化を起こす原因になります。2つめは、HDLというリポたんぱくにくるまれています。細胞内の余分なコレステロールを回収して、肝臓に運ぶ働きがあります。

このような働きの違いから、LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉と呼ばれるのです。

善玉を減らさず、増やすための方法は?

HDLコレステロールを減らさない方法の第一は、メタボの解消です。内臓脂肪がたまると、中性脂肪が増えます。中性脂肪が増えるとHDLコレステロールは減るという関係にありますから、内臓脂肪をためないように努めることが必要です。第二が禁煙です。喫煙は動脈硬化を促進するだけでなく、HDLコレステロールを減らすことが明らかになっています。

では、HDLコレステロールを増やすには、どうしたらいいでしょうか。効果的なのは、習慣的に運動をすること。激しい運動をする必要はなく、汗ばむ程度の有酸素運動(ウオーキングやジョギング、サイクリングなど)が有効です。

最近の研究では、1週間に120分以上もしくは900kcal以上を消費する運動で、明らかにHDLコレステロールが増えると報告されています。これをウオーキングに換算すると、1分間に100-120mくらいの速歩を45分以上、1週間に3回以上行うことに相当するそうです。厚生労働省のデータでは、1日の歩数が多いほどHDLコレステロールの数値が高いとされていますから、まずはよく歩くことから始めましょう。

肥満がある人は、運動だけではHDLコレステロールを増やす効果が得られにくいので、併せて食事のコントロールも行い、減量に努めることが必要です。

【監修】 荒木 葉子 先生
      産業医内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長

慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。