健康サポート特集・メタボ予防

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特集1 メタボ予防 今日から使える―メタボ脱出テクニック
4月5日配信
連載第29回

食べる順番を変えると血糖値が改善

 血糖値の改善には栄養管理が欠かせませんが、制約が多くて継続するのは難しいもの。そこで、「どのように食べるか」に注目し、食べる順番を変えて血糖値の上昇を抑える食事法を紹介します。
【監修】 小池澄子 先生 管理栄養士、料理研究家

長続きできて、血糖値も下がる手軽な食事療法

糖尿病やその予備群の治療の基本は、食事療法です。そのポイントは、栄養バランスをとりながら摂取エネルギーをコントロールすること。しかし最近、食べる順番に注目した方法で血糖値の上昇を抑えられることがわかり、手軽な食事療法として関心を集めています。

従来から行われている食事療法は、食品交換表に基づいて1日の食事をきちんとコントロールする方法です。初めは管理栄養士の指導を受けながら自分に合った摂取エネルギー量に収まる料理献立を考えていくのですが、その後は食事ごとに自分で考えなければならない煩雑さなどから、なかなか長続きしないという難点がありました。

 

一方、手軽に続けられるとして関心を集めているのは、食品ごとに食べる順番を決める方法。具体的には、(1)食物繊維の多い野菜料理、(2)たんぱく質中心のメインのおかず、(3)ごはん、パン、めん類など糖質中心の主食──の順番を守って食べることだけ。

料理ごとの栄養バランスやエネルギー量などを細かく計算することはありません。それでいて血糖値の上昇を抑えられることが確かめられています。手軽なやり方なのでほとんどの人が長続きさせることができ、血糖値をはかるモノサシであるヘモグロビンA1cも下がると報告されています。

初めに食べる食物繊維が、糖質の吸収を抑える

食べる順番を変えるだけで、どうして血糖値がコントロールできるのかは、以下のように説明できます。

初めに、野菜料理を食べ切ってしまいます。これには海藻類やきのこ類も含まれますが、芋類、大豆以外の豆類、かぼちゃ、とうもろこしなどは糖質が多いので主食と同じに扱います。初めに食物繊維が豊富な食品を食べることで、腸内での糖質の吸収を緩やかにして血糖値が上がりにくくなるとともに、食欲や体重抑制の働きのあるインクレチンというホルモンの分泌も促されるのです。

次に食べるのは、肉や魚、大豆食品などたんぱく質中心の主菜。野菜ほど血糖値の上昇を抑える働きはありませんが、主食よりは上がりにくいので、野菜の次に食べることで糖質の吸収をさらに緩やかにします。
 主菜をごはんなど主食と一緒に食べると、主食を食べすぎることになりがちなので、後で主食と一緒に食べたいときは少しだけ残しておくとよいでしょう。

 

最後に、ごはんやパン、めん類などの主食です。芋類、かぼちゃ、とうもろこしなどもこのときに。ごはんのおかずがほしいときは、浅漬けやごまや青のりなどをふりかけ風にして少々。すでに野菜料理や主菜がおなかに入っているので、主食はそうたくさんは食べられないでしょうし、腸での糖質の吸収も抑えられます。

 

食事によって血液中に糖が増えると、それがエネルギーとして消費されるのを促すために膵臓(すいぞう)からインスリンが分泌されますが、消費し切れずに残った糖を脂肪細胞に運んで貯蔵する働きもインスリンにはあります。血糖値が上がらなければインスリンの分泌も少なくてすみ、内臓脂肪のたまる脂質異常症や肥満、高血圧などの予防にもつながることになります。

【監修】 小池澄子(こいけ すみこ)先生
      管理栄養士、料理研究家

女子栄養大学生涯学習講師ほか、複数の大学で非常勤講師を勤める。食と自然と人を結ぶネットワーク有限会社カナ代表。企業やクリニックで健康管理に関わり、保育園や地域で子育て支援、栄養相談、離乳食教室、講演など行っている。栄養、料理、農場を通じて心と体と社会の健康を高める情報やレシピを提供し、“命を繋げてゆく食”を柱に食育活動展開中。著書に『簡単でおいしいおやつ』(かもがわ出版)、『おいしい山歩き』(大月書店)、『ステップアップ離乳食』(学習研究社)、『初めての離乳食』(ベネッセコーポレーション)、『黒豆健康生活』(青春出版)など多数。