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ネギの成分がメタボの男性を救う?

ネギの成分がメタボの男性を救う?

 男性の内臓型肥満の一因は、男性ホルモン分泌の低下。最近の研究で、野菜のネギ類に含まれる含硫アミノ酸に、男性ホルモンを増やす働きがあることがわかり、メタボ抑制の効果が期待されています。

男性ホルモンの分泌低下が内臓脂肪型肥満の一因

 男性のメタボの予防・改善が期待できる食材として今、ネギが注目されています。メタボの元凶である内臓脂肪型肥満の一因が、男性ホルモンのアンドロゲンの分泌低下にあることがわかり、なおかつ、ネギ類の成分がアンドロゲンの分泌を高めることも明らかになってきたからです。
 アンドロゲンは、男性の睾丸(こうがん)で作られるテストステロンというホルモンと、テストステロンがある種の酵素によって変換されたジヒドロテストステロン(*)という2つの男性ホルモンの総称です。

 ところで、メタボ健診(特定健診)で最初にチェックされる腹囲の基準値が「男性:85cm以上」、「女性:90cm以上」と男性に厳しいのは、内臓脂肪が女性より男性にたまりやすいとされているからで、そのカギとなるのがテストステロンです。
 テストステロンは、人間の体内でエネルギー消費を高めて体脂肪を減らす働きがあります。アンドロゲンの分泌が減って体内のテストステロンの量が低下すれば、エネルギー源として消費されなかった糖分やたんぱく質が脂肪に変わって蓄積されることになり、これが内臓周辺にたまれば内臓脂肪型肥満となるわけです。
 また、アンドロゲンの分泌低下は、男性の更年期障害とも関連があることが指摘され、内臓脂肪の蓄積は男性更年期障害の症状の1つとされてもいるのです。

ネギ成分が男性ホルモンの分泌を活発化させる

 こうした関係がわかってきた一方で、ネギ類に含まれる含硫アミノ酸という成分が、テストステロンを作り出す働きを活発にすることも、マウスを使った動物実験から明らかにされました。含硫アミノ酸を投与したマウスは、投与しなかったマウスに比べて、血液中のテストステロンの量が2倍以上になったそうです。
 ここでいうネギ類とは、タマネギ、ニンニク、ニラ、長ネギ、ラッキョウ、エシャロットなど。動物実験で使われた成分量を人間に当てはめて、1日に摂取する目安を換算すると、中くらいのタマネギなら1/2個、ニンニクなら1/3個、長ネギなら1/2本、ラッキョウなら5個、エシャロットなら3個になるそうですから、どれも1日に食べられない量ではありません。

種類豊富なネギ類を積極的に利用しよう

 ネギ類は私たちの食生活では、とてもなじみ深い食材。なかでも種類が豊富なものといえば、長ネギでしょう。一般的な根深ネギから、太くて軟らかい下仁田ネギなどがポピュラーですが、白い部分が紫色の赤ネギも茨城県や福島県、山形県などで栽培されています。一方、緑色の部分が主に利用される葉ネギにも、万能ネギや九条ネギなどがあります。
 こうしたネギ類を店頭で選ぶときは、表面がみずみずしく緑色の部分にも張りがあるものが新鮮とされています。上手に選んでメタボの予防・改善に役立ててください。

小池 澄子 先生

監修者 小池 澄子 先生 (管理栄養士、料理研究家)
女子栄養大学生涯学習講師ほか、複数の大学で非常勤講師を勤める。食と自然と人を結ぶネットワーク有限会社カナ代表。企業やクリニックで健康管理に関わり、保育園や地域で子育て支援、栄養相談、離乳食教室、講演など行っている。栄養、料理、農場を通じて心と体と社会の健康を高める情報やレシピを提供し、“命を繋げてゆく食”を柱に食育活動展開中。著書に『簡単でおいしいおやつ』(かもがわ出版)、『おいしい山歩き』(大月書店)、『ステップアップ離乳食』(学習研究社)、『初めての離乳食』(ベネッセコーポレーション)、『黒豆健康生活』(青春出版)など多数。