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メタボを招くおやつのダラダラ食いをストップ!

メタボを招くおやつのダラダラ食いをストップ!

 1日のおやつの量は200kcalまでが適正とされ、食べ過ぎは肥満につながります。ただし、上手にとれば仕事の効率を高めたり、不足しがちな栄養素を補給したりするのに役立ちます。満足できて、賢いおやつの食べ方を紹介しましょう。

おやつは江戸時代から続く習慣

 大人になっても、おやつタイムは楽しみなもの。おやつをつまんでお茶でも飲めば、ささやかな幸せを感じるでしょう。
 ところが、ちょっとつまむ程度で終わらずに、ダラダラと食べ続けてしまいかねないのがおやつの魔力。そんなことが日常的になると肥満につながり、やがてはメタボの危険信号が灯りかねません。おやつとは、上手なつき合い方をすることが必要です。

 おやつの語源は、江戸時代までさかのぼります。当時は1日2食が一般的で、午後2時前後の「やつどき」に、エネルギー不足を補うためにとっていた間食だといわれます。
  現在の一般的なおやつタイムは、午前10時ごろや午後3時ごろ。血糖値は食事のあと急激に上昇し、ブドウ糖が吸収されることで食後2-3時間ごろに最も低くなります。おやつタイムは、ちょうど血糖値が低くなる時間帯です。ここでおやつを食べると、ブドウ糖不足で働きが低下しかかっていた脳などにはちょうどよいエネルギー補給になり、仕事の能率アップにつながるでしょう。

 

 そういう意味でおやつ自体は決して悪い習慣ではないのですが、問題はおやつタイムの前から、あるいはおやつタイムを過ぎてもダラダラと食べ続けてしまうような食べ方。どんな問題点があるか整理してみましょう。

おやつのダラダラ食いの問題点

本来の食事がおろそかになる

 おやつの食べ過ぎで食欲がわかず、昼食や夕食をしっかり食べられなくなります。また、おやつが食事代わりになっている人もいますが、菓子類にはたんぱく質やビタミン・ミネラル類があまり含まれていないので、体に必要な栄養素が不足する可能性があります。

エネルギーや塩分の摂取量が過剰になりやすい

 菓子類には糖質、脂質、塩分などが多く含まれているものが少なくありません。おやつの食べ過ぎはこれらの栄養素のとり過ぎになりやすく、肥満や高血圧、ひいてはメタボの危険が高まります。

血糖値が高い状態が続く

手元にスナック菓子などがあると、つい手が伸びていつまでもダラダラと食べ続けてしまいがちに。そうすると血糖値が高い状態が続くため、糖尿病の要因になります。

午後3時ごろにお茶と一緒に200kcal程度のものを

では、体にもよく賢いおやつのとり方はどのようなものか、いくつかポイントを挙げてみましょう。

おやつタイムは午後3時ごろ

 昼食前におやつを食べると、太りやすいといわれています。昼食を12時にとったとすると、それから夕食までの時間が長いので、おやつをとるなら、午後3時ごろがおすすめタイム。

1日200kcal程度に

1日のおやつのエネルギー量は、200kcalくらいが適量といわれます。例えば、大福なら1個弱、どら焼きまたはショートケーキなら3分の2個が目安です。最近はミニサイズのどら焼きやケーキもあるのでエネルギー表示を確認するとよいでしょう。

飲み物と一緒に食べる

 飲み物を一緒にとると、おやつだけより食べ過ぎを抑えやすくなります。また、コーヒーや紅茶、ハーブティーなど香りには気分をやわらげる効果も期待できます。ただし、砂糖やクリームが入った飲み物や甘いジュースなどは、エネルギー量が多いので注意しましょう。

菓子類などは小分けにしておく

 その日に食べる分だけ小皿にとるか、小袋に分けておき、残りは戸棚など目につかない場所にしまって手元には置かないようにする。

栄養素の不足を補う

 ヨーグルトや小魚、果物などをおやつにすると、1日の栄養バランスで不足しがちなカルシウムやビタミン、食物繊維などを補うことができます。

 おやつとは上手につき合うことが大切ですが、1日3食のバランスのよい食事をきちんととることはもっと大切。食事への満足感があれば、おやつもダラダラ食いにならずにすむでしょう。

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。