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ラジオ体操は短時間でできる効率的なエクササイズ

ラジオ体操は短時間でできる効率的なエクササイズ

 ラジオ体操は、第1、第2を合わせて6分半ほどの運動で、それぞれ13種類のエクササイズで構成されています。卓球やバレーボール並みの運動量があり、寒いときは部屋の中でもできるので、冬の運動不足解消にもおすすめです。

第1と第2合わせても6分半。続ければきっと効果が

 ラジオ体操がいま、エクササイズとして改めて見直されています。子どものころの夏休み、眠い目をこすりながら、早朝のラジオ体操に参加した経験がある人は多いことでしょう。そんな光景を思い浮かべて、「ホントに見直されるほどのエクササイズなの?」と首をかしげる人もいるかもしれません。でも、きちんと体を動かせば、ラジオ体操には間違いなく運動効果のあることがわかっています。

 ラジオ体操には第1と第2があり、ともに3分15秒ほどの時間にまとめられています。どちらも13種類の動きで構成されていて、普段の生活ではあまり使わない筋肉や関節、骨などに刺激を与えることから、肩こり、呼吸機能、消化器の働き、腰痛、骨密度低下などへの改善効果が期待できるとされています。ただし、これらの効果はラジオ体操を行えばすぐに現れてくる、というものではありません。ラジオ体操を日々続けていくことで全身の血流がよくなり、筋肉の弾力性が増していくことでもたらされると考えられています。

 第1と第2を合わせても6分半ほどの体操を続けるだけで、期待できる健康効果。「ホントかなぁ?」と疑わしく思っている人は、子どものころ、ラジオから流れてくる元気なかけ声に、適当に手足を動かしていただけという人かもしれません。確かにそんなやり方では、いくら続けても運動効果を期待するのは難しいかもしれません。エクササイズとしてラジオ体操を行うのなら、ダラダラとではなくキビキビと動くこと。指先までしっかり伸ばし、どこの筋肉を動かしているのかを意識しながら毎日続けていけば、2週間ほどで体調の変化が感じられるでしょう。

第1は卓球やバレーボール、第2はダブルステニス並みの運動強度

 ラジオ体操の第1と第2では、運動の強度が多少違います。第1は幅広い年齢層で親しめるように、全身の筋肉や関節をリズムに合わせてバランスよく動かすことが考えられています。筋肉の柔軟性が増して、姿勢の改善やたるんだおなかを引き締める効果が期待できそう。一方、第2では第1より大きくダイナミックな動きが多くなり、筋力強化を目指した運動で構成されています。運動強度を表すモノサシである「メッツ」のランクでみると、第1は卓球やバレーボール並み、第2はそれよりやや強くダブルスで行うテニスや水中歩行並みです。

 ラジオ体操には、子どものころの思い出から夏のイメージがあるかもしれませんが、室内でもできるラジオ体操は、寒い季節におすすめの運動でもあります。
 寒さが厳しくなると、体は熱が奪われるのを防ぐために脂肪をため込みやすくなります。また、寒いからと家に閉じこもりがちになれば、運動不足になって脂肪はますますたまっていくばかり。ラジオ体操は、寒さが厳しいときや、天候が悪いときでも室内でできるエクササイズです。きちんと体を動かせば、第1だけでも体がポカポカしてくるに違いありません。
 NHK・ラジオ第1では毎朝6時30分から、NHK・Eテレでは6時25分から放送しています。朝のあわただしい時間には無理という人は、市販されているCDやDVDを利用するのもよいでしょう。たかがラジオ体操、されどラジオ体操。冬の間も毎日続ければ、体調良好な春を迎えられることでしょう。

森谷 敏夫 先生

監修者 森谷 敏夫 先生 (京都大学大学院 人間・環境学研究科 応用生理学研究室教授)
1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授、京都大学教養部助教授(准教授)、カロリンスカ医学研究所国際研究員(スウェーデン政府給付留学)、米国モンタナ大学生命科学部客員教授などを経て、1992年、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授(准教授)、2000年から現職就任。専門は応用生理学とスポーツ医学。国際電気生理運動学会会長、アメリカスポーツ医学会評議員、日本運動生理学会理事ほか、複数の要職兼務。主な著書は『メタボにならない脳のつくり方』『人は必ず太る しかし 必ずやせられる』ほか。