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朝食を抜くとかえって太りやすい、ってホント?

朝食を抜くとかえって太りやすい、ってホント?

本当です。
1食抜いた分、摂取エネルギー量が減るのだから太らないはず、と思いたくなるでしょう。しかし、体のメカニズムはそれほど単純ではありません。特に朝食を抜いた場合は、体内時計の乱れなどから、肥満につながってしまいます。

若い世代に多い朝食抜きは、肥満が起こりやすい

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」を見ると、朝食抜きは若い世代に目立ちます。男女とも20歳代の割合が最も高く、平成26年の調査結果では20歳代男性の37.0%、同女性の23.5%が朝食を欠食(食事をしていないだけでなく、錠剤や栄養ドリンクでの栄養素の補給、菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などのみの飲食も含む)しています。

朝食抜きが肥満につながる理由はいくつか指摘されているので、以下にご紹介しますが、朝食をとらない人はとる人の5倍も肥満になりやすい*、という米国での指摘があることをまずは頭に入れておいてください。

*Ma, Yunsheng, et al. "Association between eating patterns and obesity in a free-living US adult population." American journal of epidemiology 158.1 (2003): 85-92.

昼食や夕食のドカ食いで体脂肪がたまり、筋肉が減り、消費エネルギー量が低下

朝食をとらないと前夜の夕食から次の食事までの時間が長くなり、血糖が低下します。これを補おうと昼食や夕食では、ついついたくさん食べることになりがち。そうすると血糖は急激に多くなり、糖を脂肪として取り込む働きのあるインスリンが過剰に分泌され、体脂肪がたまっていきます。

また、朝食抜きで血糖が低下すると、脳のエネルギー源であるブドウ糖を確保するため、筋肉を取り崩してブドウ糖を作る働きが起こります。このため、本来なら多くのエネルギーを消費するはずの筋肉が減少し、安静時のエネルギー消費が低下します。また、活動するための体力も低下するので、朝食抜きはむしろ肥満に結びついてしまいます。

一方、朝食をきちんととると、それを消化・吸収するためエネルギー代謝が活発になります。食事をとったあとに体がポッポと温かくなった経験はありませんか。この現象を食事誘発性熱産生(DIT)といい、まさにエネルギー代謝が活発になっているしるし。

DITが高ければ太りにくいのですが、朝食抜きや不規則な食事時間だとDITが低いといわれています。

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。