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放置すると危険な「血糖値スパイク(食後高血糖)」

放置すると危険な「血糖値スパイク(食後高血糖)」

 血糖値の最も一般的な検査は、空腹時血糖値です。しかし最近は食事の後の血糖値が注目されています。食後に血糖値が急上昇するケースがあり、「血糖値スパイク(食後高血糖)」と呼ばれます。血管を傷め、動脈硬化から心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす危険因子とみなされているからです。

食後血糖値が高めの人は要注意

食事で摂取したご飯やパンなどの炭水化物(糖質)は体内でブドウ糖に分解され、血液に入って全身を巡ります。これが血糖です。血糖は食後に最も増え、これを脳や筋肉などの組織が取り込んでエネルギー源とします。

人間の体には血糖の量(血糖値)を一定範囲に保つ仕組みがあります。その1つがインスリンの働きで、食事とともに膵(すい)臓から分泌されて血糖値が上がり過ぎないように調整するのですが、何らかの原因でインスリンが不足するとか働きが悪いと、食後の血糖値が大幅に上昇してしまいます。

インスリンの分泌が正常なら食後でも血糖値は大きく上がらず、短時間で元に戻ります。しかし、食事の2時間後に測った血糖値が140mg/dl以上もあるようだと、「血糖値スパイク」を起こしている疑いが強くなります。

血糖値の変動が大きいと血管を傷め動脈硬化に

血糖値スパイクとは、食後に急上昇した血糖値がその後急降下することをいいます。このような血糖値の大きな変動は血管の内壁を傷つけることがわかってきました。

血管壁が傷つくと、それを修復しようと免疫細胞が集まって血管壁の内側に入り込むので、血管の内側が狭くなってしまいます。これが動脈硬化で、血糖値スパイクを食事のたびに繰り返していると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすくなることが指摘されています。

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。