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睡眠不足はメタボを招く。秋の夜長こそゆっくり眠ろう

睡眠不足はメタボを招く。秋の夜長こそゆっくり眠ろう

 1日の平均睡眠時間が6時間未満という人は、日本人の約4割。その半数近くの人が日中の眠気を感じているとの調査結果があります。睡眠不足は肥満をはじめ糖尿病や高血圧、心臓病のリスクを高め、メタボを招きやすいことがわかっています。秋の夜長は、夜更かしよりも睡眠に心配りを――。

多くの日本人が睡眠不足気味

必要な睡眠時間には個人差があるといわれますが、厚生労働省では「健康づくりのための睡眠指針 2014」において、「日中しっかり覚せいして過ごせるかどうかが睡眠が足りている目安になる」と指摘しています。

わが国の調査(厚生労働省「平成27年『国民健康・栄養調査』結果の概要」)によると、日本人の39.5%が1日の平均睡眠時間が6時間未満で、さらにそのうち、女性の48.7%と、男性の44.7%が日中の眠気を感じたとしていますから、多くの日本人が慢性的な睡眠不足に陥っているといえます。

睡眠不足は肥満や糖尿病のリスクを増加させる

睡眠不足は、心身にさまざまな影響を及ぼすことが知られていますが、肥満につながることもわかっています。

睡眠不足が続くと、食欲を抑える働きをするホルモンであるレプチンの分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンのグレリンの分泌が増加してしまうのです。1日10時間眠った健康な人でも、4時間睡眠を2日間続けただけで、このような現象が体内で起きるといわれています。

また、糖尿病の発症リスクと睡眠不足との関係を調べた調査*もあります。リスクが最も低いのは睡眠時間が7~8時間の場合で、これを1とすると、睡眠時間5時間以下が約2.5倍、6時間以下が約1.5倍のリスクでした。また、9時間以上でも2倍近いリスクが示されていて、睡眠時間は長過ぎてもよくないようです。*1

これらの原因としても、血糖をコントロールするインスリンというホルモンの働きが低下するためと考えられそうです。

*1 Gottlieb DJ, et al. Association of sleep time with diabetes mellitus and impaired glucose tolerance. Arch Intern Med. 2005;165(8):863-7.

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。