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睡眠不足はメタボを招く。秋の夜長こそゆっくり眠ろう

睡眠不足はメタボを招く。秋の夜長こそゆっくり眠ろう

高血圧や心臓病、うつ病などのリスクも高まる

長期にわたる研究で、6時間以下の睡眠時間だと、高血圧や動脈硬化から起こる心臓病などのリスクも高まることもわかっています。

原因として、睡眠不足だと自律神経のうち体を活動的にする交感神経の働きが強くなって血圧を上げることや、食事や運動などの生活習慣の乱れも引き起こすことなどが推測できます。前述の睡眠指針では、おおむね7時間前後の睡眠時間が生活習慣病をもたらすリスクが少ないとされています。

また、睡眠が心の健康に及ぼす影響も無視できません。国内の研究で、睡眠による休養感が低い人ほど、抑うつの度合いが強いことが示されています。*2

*2 Kaneita Y, et Al. The relationship between depression and sleep disturbances: a Japanese nationwide general population survey. J Clin Psychiatry 2006;67:196–203.

生活リズムを整えて、適切な睡眠を

睡眠不足のある人は、まず睡眠を充足させることを基準に生活リズムを整えていきましょう。

朝食をきちんと食べる、糖質・たんぱく質・脂質・ミネラルやビタミンのバランスを考える、間食はしない(甘いもの、炭水化物は控える)、夕食は就寝時刻の2時間前に済ませる、ゆっくり入浴する、夜ふかしをしない、などが大切です。

また、時間的には足りているものの実際にはどれくらい熟睡できているか、それをグラフ化してくれる機器(睡眠計)が商品化されています。さらに、枕元に置いて睡眠時間を測定したり、対応アプリを入れたスマートフォンと連動して、眠りに入りやすい呼吸法のガイドや、体の動きから起床しやすいタイミングでアラームを鳴らしてくれる機器などもあり、これらの利用が睡眠不足の改善に役立つかもしれません。

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。