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最短3カ月! あなたと家族の健康のために「禁煙外来」へ

最短3カ月! あなたと家族の健康のために「禁煙外来」へ

禁煙治療は健康保険で受けられることも

喫煙習慣が意志の問題というより「ニコチン依存症」という病気であることが認識され、禁煙達成はいまや医師の指導の下で行われる治療が主流と言えそうです。「禁煙外来」のある病院に受診し、以下の要件を満たせば健康保険で治療が受けられます。 以前は、(2)のブリンクマン指数の条件が全員に当てはめられており、若年者は健康保険適用にならないことが多くなっていましたが、2016年4月から35歳未満の人はこの条件が撤廃されています。

(1) ニコチン依存症を診断するテスト(TDS)で5点以上

(2) 35歳以上の者はブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上

(3) ただちに禁煙したいと思っている

(4) 医師から受けた禁煙治療の説明に文書で同意する

治療では、禁煙補助薬を使うことでつらさが伴う禁煙後の離脱症状を和らげ、比較的楽に禁煙を確実にすることが可能といわれます。

禁煙外来の標準的なスケジュールでは、12週間で5回の診療が行われます。費用の目安は、自己負担3割の場合1万3,000~2万円で、1日1箱喫煙する場合のたばこ代より安くなります。

禁煙でさまざまな病気のリスクが低下

禁煙を続けると、24時間後には心臓発作のリスクが低下する、2日ほどで味覚や嗅覚が改善する、1~9カ月後には咳や息切れ、疲れやすさが改善するといった効果が現れます。さらに、5年後に虚血性心疾患の死亡率が非喫煙者と同等になり、10年もすると、肺がんをはじめとしたさまざまながんのリスクが低下することがわかっています。

一方、禁煙のデメリットとして体重増加を心配する人は少なくないようです。確かに、食欲が戻るとか、口寂しさやイライラから間食をしてしまうなどで一般的に2~4㎏の体重増加が見られます。これを気にして、禁煙と同時に体重コントロールを始める人もいるようですが、初めの6~8週間は禁煙を安定させることだけに専念したほうがよいといわれます。

禁煙が無理なく続けられるようになっても体重増加が気になるなら、適度な運動と規則正しい食生活を心がけるとともに、毎日体重を測って記録していくとよいでしょう。

* American Cancer Society:Guide to Quitting Smoking revised October 27:2006

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。