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母子ともに危険な「妊娠高血圧症候群」。妊娠前から血圧のチェックを

母子ともに危険な「妊娠高血圧症候群」。妊娠前から血圧のチェックを

予防に重要な血圧管理。減塩や肥満予防を

妊娠高血圧症候群が見つかっても、軽症なら血圧を下げる処置は必ずしも行われません。母体での血圧が上がることで、胎盤での血液循環が確保されているという考えからです。しかし、重症の場合は妊婦の脳や心臓の障害を防ぐために、できるだけ早い降圧治療が必要とされています。

また、国内外の研究により、妊娠高血圧症候群は中高年になってからの高血圧や脂質異常症の危険を高め、心血管疾患発症のリスクが高まることが明らかになっています。*1 *2 そのため、早期の段階から医学的に対処することや、分娩後も生活習慣に気をつけることが大切とされています。

妊娠高血圧症候群のリスクを避けるためには、妊娠前から自分の血圧を把握し、適正値内にコントロールすることが重要です。定期健康診断でのアドバイスなども参考に、家庭でも習慣的に血圧を測り、減塩や節酒、運動習慣、肥満予防などに努めてください。

*1 Brown, M.C., Best, K.E., Pearce, M.S. et al. Cardiovascular disease risk in women with pre-eclampsia: systematic review and meta-analysis. Eur J Epidemiol (2013) 28: 1.

*2  Watanabe K, Kimura C, Iwasaki A. et al. Pregnancy-induced hypertension is associated with an increase in the prevalence of cardiovascular disease risk factors in Japanese women. Menopause. 2015 Jun;22(6):656-9.

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。