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喜怒哀楽を言葉に出すレッスン

喜怒哀楽を言葉に出すレッスン

 ストレスと上手につき合うためには、普段の行動パターンを見直すのも一方法です。対人関係でストレスがたまりがちな場合、人と上手にコミュニケーションをとることがストレスをやり過ごすポイントになります。ここでは、人とのコミュニケーションにプラスになる基本的なことで、日常生活で簡単に実行できる方法を紹介します。

コミュニケーションの基本は、あいさつや感謝の言葉から

 対人関係が、ストレスのもとになっていることが少なくありません。人とコミュニケーションをとるのが苦手な人にとっては、「この人とうまくやっていかねばならない」と思うと、ますますストレスがたまるでしょう。
 ちょっとしたコミュニケーション力をつけることで、そのストレスを軽減することが可能です。 コミュニケーションをとるには、自分の気持ちを素直に表現することが大事です。その基本は、言葉に出すこと。
 しかし、最初から、自分の気持ちをうまく言葉に表せないから、もどかしいのですよね。言葉に出すレッスンの初級編として、「おはよう」や「こんにちは」などのあいさつや、「ありがとう」といった感謝の言葉を、口にすることから始めましょう。  

大きな声で「おはよう!」のひと言を

 朝起きたときに、家族へはもちろんのこと、通勤途中で出会った近所の人や顔見知りの人、職場では上司や同僚へ、大きな声で「おはよう!」とあいさつしましょう。このひと言で緊張をほぐし、気分がさわやかになり、ストレス解消にも役立ちます。

「ありがとう」と素直に声に出してみる

 誰にでも素直な気持ちで「ありがとう」といえる習慣を身に着けましょう。人の気持ちの温かさに気づくことは、自分の心も優しくしてくれます。 「ストレスを乗り越える最大の方策は、感謝の心である」といったのは、ストレス学説の創始者、カナダのハンス・セリエです。

「でも」「しかし」を抑えて、最後まで人の話を聞く

 相手の話を最後まで聞かずに、「でも」「しかし」と話の途中でさえぎってしまい、自分の判断や結論ばかりを押しつける――。人の意見を拒絶する態度は、自分に返ってくるものです。最後まで相手の話をよく聞いて、それから自分の意見を述べるようにしましょう。

悩みの相談相手をもとう

 悩みごとがあったとき、話を聞いてもらうだけでも心が軽くなることが多いものです。悩みごとがあったら、一人で抱え込まず家族や職場の仲間、友人など悩みを話せる人を見つけて、相談してみましょう。場合によっては、公的な相談窓口や心理カウンセラー(臨床心理士)、医師などのサポートを借りるのも一つの方法です。第三者的な立場の相談相手がいると、冷静に受け止めてもらうことができます。

怒りの気持ちを押さえ込まない

 腹が立ったり、怒りたいときには言葉に出してしっかり怒ることが、ストレスをためないことにもつながります。できれば、壁に粘土を投げつけるなど、動作もつけてみれば、よりすっきりします。あなたの怒りを受け止めてくれる人や場所を確保しておきたいものです。そのためにも、相談相手の存在は大きいのです。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。