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日記を書いて、自分を知ろう

日記を書いて、自分を知ろう

周囲のことを考えて、言いたいことも言えずに自分を抑えて、ストレスがたまってしまう……。こんなことはありませんか? だれにでもあり得ることですが、たび重なると心の不調の原因になりかねません。そんなとき、その日の出来事や感じたこと、考えたことなどを日記に書いてみてはいかがでしょうか。

客観的に自分を見つめ、セルフコントロールするきっかけに

ストレス対策の第一歩は、ストレスに気づき、自分をコントロールすることで、ストレスをためないようにすること。日記を書くことで、人には言えなかったことも表現することができます。さらに、書いた内容を読み返せば、客観的に自分と向き合うことにもなり、ストレスへの対処法について、ヒントを得ることにもつながります。
日記の書き方に決まりはありませんが、例えば次のような書き方をしてみてはいかがでしょうか。

例1 … ありのままに書いてみる

その日の出来事や、それについて感じたこと、考えたことを思いつくままに書いてみましょう。自分の1日を内省することになります。書くこと自体が、自分を観察し、整理し、理解することにつながります。

例2 …「嫌な場面」と「そのときの気持ち」を書いてみる

その日に起こった「嫌な場面」とそのときに感じた「気持ち」を書き出してみましょう。嫌な気持ちは、堂々巡りしてしまいがちですが、書くことで、気持ちが整理できます。さらに、視点を変えて考え直してみると、別の見方や感じ方ができるかもしれません。

例3 … ユーモアを交えて表現してみる

対人関係のトラブルがあった場合などは、四六時中、相手の顔が浮かんできて、嫌な気持ちがぶり返してしまうことが多いもの。そんなときは、自分の視点から離れて客観的な視点で、事実を脚色してユーモアを交えて表現してみましょう。嫌なことも笑い飛ばすことができたら、心が軽くなるでしょう。

例4 …「よかったこと」「ありがたいと感じたこと」を書き出してみる

いつも後ろ向きなことを考えてしまう……という人は、その日の「よかったこと」や「ありがたいと感じたこと」を箇条書きでよいので、書くようにしてみましょう。なるべく「前向きな事柄」にスポットをあてるクセをつけることにつながります。すると、考え方も前向きになる効果が期待できます。

怒りの気持ちを押さえ込まない

腹が立ったり、怒りたいときには言葉に出してしっかり怒ることが、ストレスをためないことにもつながります。できれば、壁に粘土を投げつけるなど、動作もつけてみれば、よりすっきりします。あなたの怒りを受け止めてくれる人や場所を確保しておきたいものです。そのためにも、相談相手の存在は大きいのです。

日記を書くときのワンポイントアドバイス

  • 日記をパソコンで書くこともできますが、できるだけ実際の筆記用具を使って紙に書いてみましょう。お気に入りの日記帳や筆記具を使ったりすると、気持ちが入りやすくなり、ストレス発散効果が高まることも期待できます。
  • 毎日書かなければいけないなどとノルマ意識をもたず、楽しみながら書くようにしたいもの。また、嫌な気持ちがぶり返したり、どんどん高まったりしないように、気持ちが「すっきりする」「落ち着く」「楽しいと感じる」ように、リラックスして書くようにしましょう。
  • 対人関係について書くときは、相手が発した悪口などには深入りせず、自分の気持ちを中心に書くようにするとよいでしょう。相手の言動については、ひと呼吸置いたり、ユーモアを交えて表現してみましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。