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うつ気味になったらウオーキングを

うつ気味になったらウオーキングを

 適度な運動は心と体の健康づくりに欠かせないものです。さらに近年、適度な運動にはうつ病の予防をはじめ、うつ症状を軽くしたり、再うつ病の再発予防にも効果があることがわかってきました。とくにおすすめなのが、リズミカルなウオーキングです。

脳内の神経伝達物質セロトニンが適度な運動で増える

 適度な運動がなぜうつ病によいのかまだ完全にはわかっていませんが、(1)脳内の幸福ホルモンともいわれるβエンドルフィンの産生が刺激される、(2)抑うつ状態のときに減る脳内の伝達物質セロトニンが増える、といったことが関係していると考えられています。ただし、重症のうつ病患者さんに対しては、運動がストレスとなるので、すすめられません。
 ストレスの解消やうつ病の予防のためには、生活のなかで、楽しみながら続けられるリズミカルな運動がよいといわれます。ウオーキングや軽いジョギング、自転車こぎ、水泳、ダンスなど、リズミカルな運動にはいろいろありますが、自分の好きなこと、続けられそうなものがよいでしょう。だれでも手軽に始められるのが、ウオーキングです。

ウオーキングをできるだけ毎日続けよう

 ウオーキングなどの運動は、土日にまとめて行うのではなく、1日15~30分程度、可能なかぎり毎日続けることが大切です。時間帯としては、いつでもよいのですが、とくに朝日を浴びながら歩くがのおすすめ。同じ時間帯に行うようにすると体内時計のリズムを整えるのにもよいでしょう。うつ傾向のある人は、睡眠と覚醒のリズムが乱れている人が多いため、その対策にもつながります。
 リズミカルに行うことが大切で、だらだら行っても効果期待できないので、慣れてきたら少しずつペースを上げるとよいでしょう。ただし、疲れが出るまでがんばりすぎず、爽快感を感じたところで止めるのがコツ。目安としては、額にうっすらと汗をかく程度の有酸素(エアロビクス)運動がポイントです。さっそうと、格好よいフォームを意識して、「歩いている」ことに専念して行うとさらに効果がアップします。

ウオーキングフォームのポイント

  • あごを引く
  • 手は軽く握る
  • かかとから着地する
  • やや広めの歩幅で歩く
  • 視線はまっすぐ、遠くを見て
  • 肩の力を抜く
  • 背すじを伸ばす
  • ひじを約90度に曲げて、腕を前後に振る
  • つま先で蹴る

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。