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心の疲れは汗と一緒に流そう

心の疲れは汗と一緒に流そう

 風薫る季節。お天気のよい日は、屋外で体を動かすのは、心と体、両方の疲れを吹き飛ばすためによいことです。実際に運動習慣のある人とない人では、心と体の健康状態に明らかな差があります。

運動習慣のない人は、体にも心にも症状が起こりがち

 ある会社の社員のうち、週に2回以上運動習慣のある200人と、運動習慣のない300人を比較したところ、ない人のほうが以下の12項目の自覚症状がある人が明らかに多いことがわかりました。

精神症状

  • 影口をいわれているようだ
  • 人ごみのなかで気分が悪い
  • 寝つきが悪い
  • 何かをするのがおっくうである
  • 朝起きると気分が悪い
  • いいたいことがうまくいえない

身体症状

  • 背中が痛む
  • 胸が痛む
  • 肩がこる
  • 疲れやすい
  • 胸やけがする
  • 頭が重たい

(山本晴義先生調べ)

運動を習慣にすると体にも心にもよい効果がある

 運動を毎日の習慣にすることで、心にも体にもよい効果が期待できます。ただし、ストレス解消のために運動をするのに、無理ややりすぎは禁物です。それが新しいストレスになりかねません。
 また、体を動かすことが大切だからといって「通勤のときにエレベーターを使わずに階段を上り下りして、体を動かしている」という人もいるでしょう。しかし、ストレス解消のためには、「仕事や勉強を離れて汗をかく」ことがおすすめです。

楽しく続ける、楽しいから続けられる

 たとえば、毎日10~15分の「テレビ体操」、昼休みの「キャッチボール」、アフターファイブに「スポーツクラブ」に行くのでもよいのです。「運動が苦手」「他人に迷惑をかけたくない」という人は、一人でもでき、マイペースでできるウオーキングやジョギングなどでもよいでしょう。ストレス解消のためには、短い時間でも毎日続けられ、「楽しい」「明日もやりたい」と感じられることが目標です。
 すべての人が汗をかく喜びを大切にしたら、ストレスが原因でおこる心の不調に陥る人はぐっと減ることでしょう。スポーツを楽しみながら習慣にすることが、心と体の健康づくりに役立つのです。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。