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温泉で心とからだをいやそう

温泉で心とからだをいやそう

 疲れがたまると、「温泉にでも行きたいなあ」と感じる人は多いことでしょう。温泉療法は、人間が本来もっている自然治癒力を引き出して生かそうという、自然療法です。温泉の効用を知って、上手に活用したいものです。

日常と違う環境に触れて健康増進

 温泉に行ったことがない……という日本人は少ないのではないでしょうか? 温泉は日本人の心と体のリフレッシュに適したところとして、多くの人に愛されています。多忙な日常を離れて、温泉地の豊かな自然に触れることで、家庭のお風呂では味わえない安らぎを感じることができます。
 日常の環境とは異なる環境がよい気分転換となり、健康を増進させる働きを「転地効果」といいます。たまったストレスを解消するのに役立ちます。
 そして、温泉の湯には硫黄や鉄分、二酸化炭素など、地中のさまざまな物質が含まれていて、さまざまな効能をもたらします。温泉の効用には、前述の転地効果のほか、(1)物理作用として:温熱効果、静水圧効果、浮力効果、(2)化学作用などがあります。

効能を知って、温泉をより楽しく

 たとえば、温熱効果とは、湯に溶けている物質によって、体温が下がりにくくなると同時に、湯の熱さを感じにくくするため長く湯につかっていることができます。これによって、神経痛や関節痛、関節のこわばり、冷え性などに有効といわれます。静水圧効果では、水圧に抵抗して腹式呼吸をすれば、呼吸筋の負荷訓練になるなど、慢性閉塞性肺疾患のリハビリテーションにも活用されています。浮力を活用することで、腰やひざなどへの負担が軽くなるので、関節リウマチや変形性関節症のリハビリテーションとしても応用されています。
 化学作用として、炭酸泉、硫化水素泉などは血流をよくして高血圧改善に効果的とされているなど、泉質によってさまざまな効果があります。こうした効能を知って入るのは、温泉の醍醐味の一つといえるでしょう。

銭湯やスーパー銭湯も上手に活用を

 温泉に出かける時間がない! という人は、リフレッシュスポットとしての「銭湯」を活用するのがおすすめです。大きなお風呂はそれだけで、日常から離れた気分を味わえますし、リラックス効果が高いこともわかっています。また、最近増えているいわゆるスーパー銭湯には、薬湯やジェット温浴、サウナなどが設けられており、薬効や浮力効果など、設備によってさまざまな効用があることがわかっています。
 さらに、銭湯は小さなコミュニティとして、人と人とのつながりや語らいなどによる癒し効果も期待できます。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。