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アナログ思考でいこう

アナログ思考でいこう

 IT化が進んだせいか、完璧主義の人が増えつつあるようです。でも、完璧主義の人ほどストレスに弱くなりがち。現代はストレス社会で、身の回りからストレスがなくなることはないだけに、心には「いい加減」が大切なことも多いのです。

人は誰しも完璧ではない。心の「いい加減」を探そう

 コンピューター相手の仕事は、「いい加減」が許されません。常に決められたプログラムに従って、正しい操作を行う必要があります。コンピューターにとって「完璧さ」「正確さ」が不可欠であるものの、常にそれを自分に課していると、心にとっては大きな摩擦が生まれかねません。人間は誰しも完璧ではないからです。
 そのため、完璧主義の人ほど、ストレスに弱い傾向があります。完璧主義の人は、まじめで何事もきちんとやり通すため、上司からの信頼も厚く、周囲からも大きな期待を寄せられていることも多いもの。そのため、疲れていても「期待を裏切ることはできない」と考えて、さらにがんばってしまいがちになります。
 しかし、そうなると疲れがたまり、また、人間であればこそ失敗も起きてしまうものです。失敗すると、完璧主義の人は、必要以上に落ち込み、激しく自分を責めてしまいがち。こうした自己否定感が引き金となり、心の病気が発病するというケースは少なくありません。完璧主義の人ほど要注意なのです。疲れやストレスを感じているときこそ、デジタル思考ではなく、アナログ思考でいくことをお勧めします。
 デジタルの時計は、秒刻みで正確に時刻を表しますが、アナログ時計のように、「だいたい○時」と考えればよいのです。自分自身の心の「いい加減」を探してみましょう。

今日から始めるアナログ思考

 努力したり、よりよい結果や成果を目指したりすることは悪いことではありませんが、自分自身を追い詰めず、考え方にゆとりをもつことも大切です。

結論が出なくてもよい

【デジタル思考】
会議などでは、よりよい答えを出さなければならない。

【アナログ思考】
話し合うことで、改善点やよいアイデアが出てくる。結論が出なくても、話し合うことそのものが大切なこともある。

「失敗」or「成功」で考えない

【デジタル思考】
失敗やミスは「悪」で、ペナルティーが課せられるべきであり、誇れるものは何もない。

【アナログ思考】
失敗のなかにも、次に役に立つことがある。学ぶべき材料として分析する。

一人ひとり違っていい

【デジタル思考】
会社など、集団のなかで違うことを考えたり、組織の方針と反発するような人とは、行動を共にできない。

【アナログ思考】
人の数だけ考え方あるのは当然。考え方が異なって衝突したときは、話し合っていけばよい。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。