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心のためにも、健診を受けよう

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 今年も残すところ、あと3ヵ月弱。年に一度の健康診断はもうお済みですか? 「忙しくて受ける暇がない」……なんていうあなた、健診はきちんと受けて、心のトラブルを抱えていないかどうか、この機会にぜひ振り返ってみてください。

心のトラブルは生活習慣病ともかかわっている

 心のトラブルは、ストレスがたまっているかどうかなど、「早めに気づいて、セルフコントロール」することが大切、とすでに何度かお伝えしてきました。ストレスが体に悪影響を及ぼすことも、取り上げています。ストレスによる体調の変化として「食欲がない」「眠れない」「かぜなどにかかりやすくなる」「胃腸の調子が悪い」などがよくあげられます。さらに「メタボリックシンドローム」にかかわる、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病も、ストレスと大きくかかわっていることがわかってきています。
 いわゆるメタボ健診(特定健康診査)をはじめとした職場などで行う健康診断を、毎年受けていますか? 「忙しくて受けていない」という人は、時間をつくって受けることをおすすめします。健診を受ける時間もなく仕事をしている人こそ、体だけではなく、心のトラブルにも要注意です。

健診で「メンタルヘルス」のチェックができる枠組みが求められている

 厚生労働省では、心の不調を抱える人が増えていることを受けて、メンタルヘルスチェックが職場の一般健診で実施することと同時に、チェックを受ける側のプライバシーが守られるための新しい枠組みづくりを進めることとしています(2010年「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」)。
 まだ、検討段階ではありますが、そうした定期健診などにおけるチェックも利用して、ストレスに「早めに気づく」ことができ、早めに対処できるようになることが望ましいといえます。心の不調について、客観的に把握するのはなかなか難しいため、見過ごしてこじらせてしまうことが少なくないためです。
 前述したように、生活習慣病の多くもストレスによって発症のリスクを高めたり、悪化したりします。健診を受けて、生活習慣病関連の数値が病気の域といえないまでも、悪化の傾向があったときは、「ストレス」がたまっていることが原因ではないか、心の不調が隠れていないかどうか、自分自身に問いかけてみてください。そして、ストレス解消法の実行など、生活のなかで改善できることがあれば、早めに着手しましょう。体の不調と同様、心のトラブルも「芽」の段階で改善し、こじらせないようにしたいもの。心の健康のためにも定期健診を欠かさないようにしたいものです。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。