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笑う門には、ストレス解消・心身の健康アップ効果あり

笑う門には、ストレス解消・心身の健康アップ効果あり

「笑う門には福来る」ということわざがあります。実は、「笑うこと」や「笑顔」には、心と体によい効果をもたらすことがわかっています。今年1年、よく笑ってストレスをためずに過ごしましょう。

「笑顔の効果」感じていますか?

忙しいとついイライラしがちになります。そんなとき、気づかないうちにイライラが表情に出てしまうこともあるでしょう。自分では意識していないのに「浮かない顔をしているね」「眉間にしわが寄っているけど、そんなに大変なの?」などと、人から指摘されたことはありませんか。また、ショーウインドウや電車の窓ガラスに映った自分の顔が、思いのほか不機嫌そうで、自分で自分に愕然とした経験がある人もいるのではないでしょうか。

こうした「しかめ面(つら)」は、たいていの場合、マイナスに働くものです。話しかけにくいムードを漂わせ、周囲の人たちに悪い印象を与えかねません。例えば、部下や同僚があなたに相談をしたくてやってきても、難しそうな表情を見たら、思いとどまってしまうかもしれません。その結果、問題が先延ばしになって、解決が困難な状況になってしまった……ということが起こり得るかもしれないのです。

しかめ面をしていても、仕事が早く進むわけではありません。だったら明るい笑顔を周囲に向けるよう心がけることが得策です。周囲からも笑顔が返ってくるかもしれません。そうすることで、自分自身も気持ちよく過ごせるようになるのではないでしょうか。

笑いは免疫力をアップさせ、ストレスを軽減する

「笑うこと」でもたらされる効果は、良好な対人関係をつくるだけではありません。心と体の健康にも大きな効果が期待されます。

まず、笑うことで、体の免疫力がアップするといわれます。これは、がん細胞やウイルスなどを攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化するというものです。また、糖尿病の患者さんに漫才を聴いてもらったところ、食後の血糖値の上がり方が低くなったという研究結果もあります。心の効果としては、落語鑑賞をすることで、ストレスとかかわりのある唾液中のホルモンの分泌量が減少した、という研究結果もあるのです。

「おかしくもないのに、笑えるか」という人もいるかもしれません。ここで紹介したいのは、心理学でジェームズ・ランゲ説と呼ばれる学説(ジェームズとランゲという人がほぼ同時に唱えました)。この説によると、人は「悲しいから泣く」のではなく、「泣くから悲しいのだ」と説いています。確かに、泣き始めると悲しみが増して涙が一層あふれてくることがあります。同じように、嫌な気分のときでも意識的に笑顔でいるように心がけると、だんだん不機嫌でいることがばからしく感じられ、そのうち、嫌な気分も忘れてしまい、明るい気持ちになってきたりします。実際に、口角を上げて笑顔をつくるだけでも、前述のNK細胞の活性化による免疫力アップに効果があるともいわれています。

笑うことには、お金や手間はいりません。心がけて笑顔をつくり、ストレスを吹き飛ばしましょう。そして、「笑う門には福来たる」を実感できる1年にしましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。