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自分をほめて、ストレスにつぶされない

自分をほめて、ストレスにつぶされない

 本当の健康とは、社会的にも健康であること……。自分もだれかの役に立っていると実感できてこそ、真に健康であるといえると思います。その第一歩は「自分を大切にすること」ではないでしょうか。

場面を切り替えて、気持ちも切り替える

 職場などで上司から「頻繁に注意される」「人前で叱られる」などが続いたり、がんばっているのに不満足な評価しか得られないと、落ち込んだり、自信を失ってしまうことが多いもの。そんなとき、職場を出ても、夜眠るまで仕事のことが頭から離れず、結局眠れないという人も多いのではないでしょうか。
 仕事のことを考え続けていれば、よい解決策が浮かんでくるかもしれないと思うかもしれませんが、堂々巡りの思考回路に陥り、かえってよくないことばかり浮かんでくることのほうが多いものです。それが高じると、うつ病など心のトラブルにもつながりかねません。
 仕事から離れることができる時間は、1日のうちごく限られていますから、オンとオフの切り替えがきちんとできるようになりたいもの。とはいえ、無理やり気持ちを切り替えようとしても、うまくいかないこともあります。そんなときは、「場面」を意識的に切り替えることがおすすめです。
 切り替え上手になるためには、できるだけ日ごろから、仕事とプライベートの時間をはっきりわけておくことが大切です。

まず、自分をほめて、自分の価値を再確認しよう

 仕事の人間関係でへこんだり、落ち込んだりしたら、仕事以外の時間では、自分のために、自分が楽しいと感じることをどんどんしましょう。
 そして、決して自分を嫌いにならずに、自分を信じて好きでいましょう。自分のよいところを何でもかまわないので、いくつも書き出してみるのもおすすめです。そうすることで、自分も捨てたものではない……と、自分の価値を見出すことができます。たとえ誰もほめてくれなくても、がんばっている自分を自分でほめてあげましょう。
 自分を元気にしてあげることで、何をしてもダメだと落ち込む→自信がなくなって次も失敗する、といった負のスパイラルに陥らないで済むでしょう。
 ここで、きちんと理解したいのが「評価」についてです。人に評価されるような結果が出るまでには時間がかかるもの。今、評価されていないからとやる気をなくしてしまうのではなく、あせらず、あきらめず、自分を信じることが明日につながります。また、あまりにも周囲の評価が気になるという場合、周囲の評価が自分の評価と一致していないのではないでしょうか? 周囲の評価の基準だけでなく、自分自身の評価基準をきちんともって自分を評価できるようになれば、周囲の評価に振り回されて、必要以上に苦しむこともなくなります。そのためにも、ある程度時間がかかっても、いろいろな経験を積み、多くの人とかかわり、狭い価値観にとらわれない自分をつくっていきたいものです。

切り替え上手になるためのアドバイス

  • 友人と食事に行く
  • スポーツクラブで汗を流す
  • コンビニ弁当が続いたら、簡単な料理を作ってみる
  • 帰り道をちょっと遠回りしてみる
  • 忙しくて入浴はシャワーばかりが続いたら、湯船につかってみる
  • いつもと違うスーパーで買い物をする
  • 近所の公園などに出かけて自然と触れ合う など

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。