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仕事にストレスはつきもの。でも、我慢しないで

仕事にストレスはつきもの。でも、我慢しないで

仕事でストレスを感じている人は少なくありません。では、ストレスがなかったら、仕事はもっと、はかどるのでしょうか? ストレスは悪者なのでしょうか?

生きている限り、ストレスはつきまとうもの

国民の過半数がストレスを感じながら生活しており、特に勤労者の約6割が仕事に関する強い不安やストレスを感じているという最近の調査結果があります。仕事上でストレスを感じないという人は皆無かもしれません。

「仕事が忙しくて、人間関係もうまくいかず、ストレスがたまる」「毎朝、満員電車に乗って出勤するのは、かなりのストレスだ」など、私たちは、ストレスという言葉を当たり前のように口にしています。現在のように、変化の激しい時代には、現在ならではのストレスも生まれています。まさに、日々さまざまなストレスにさらされながら、仕事をしているともいえます。生きている限り、ストレスはつきまとい、逃れることはできません。

では、ストレスがなければ、もっと仕事がはかどるのでしょうか? ストレスと生産性の関係を示した「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」では、低ストレス状態では生産性はあまり上がりません。ストレスが適度だと、それを克服するためにむしろ、生産性は向上します。さらに、ストレスが過度になると、心と体が疲弊して生産性は低下し、心身の不調をきたすようになります。

ストレスは、我慢しないで早めに解消を

適度なストレスは、生産性を向上させたり、良好な社会生活を送るためにも、心も体も健康でいるために有意義なものなのです。ストレスを克服するための努力の過程は、私たちを成長させ、能力を高めてくれます。

私たちが生きている限り、ストレスは必ずあるのですから、ストレスから逃げようとしたり、ストレスと闘おうとしてばかりいると、結果的に心身のバランスを崩しかねません。ストレスに対する理解を深め、上手に付き合っていこうとすることが、ストレスを有意義なものにすることにつながります。
それには、まずストレスに気づくこと、ストレスは我慢しないで、ため込まないで早めに解消することが大切です。ストレスは誰にでもあるものですが、ストレスがたまっていても気づかない、たまりすぎて気づけないこともあります。

ストレスがたまると、体の症状として現れることが少なくありません。次のような症状があったら、ストレスがたまり過ぎていることが原因かもしれない、と気づくことが第一歩です。そして、見逃さず、我慢せず、ストレスを解消するための対策を講じてください。たとえば、1日に10~15分でよいので、仕事以外の趣味の時間を設けるなど、自分のためにリラックスできる時間をもつようにしましょう。ライフスタイルを見直してゆっくり休みをとる方法を考えるなど、ストレスがたまり過ぎないようにしたいものです。

ストレスが原因でおこる体の症状

次のような症状があったら、早めにストレス解消!を心がけましょう。

  • 疲労感がある
  • 倦怠感(だるい感じ)がある
  • めまいがする
  • 体のふしぶしが痛む
  • 頭が重い、頭痛がする
  • 首筋や肩がこる
  • 腰が痛い
  • 目が疲れる
  • 動悸・息切れがする
  • 胃腸の調子が悪い
  • 食欲がない
  • 便秘・下痢をする など

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。