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専門家のサポートが必要になることも

専門家のサポートが必要になることも

心の悩みを軽くするためには、悩みで心がいっぱいになる前に、「誰か」の助けを借りることも大切です。その「誰か」は複数いたほうがより安心。ときには、専門家のサポートを求めることがスムーズな解決につながることもあります。

つらいときには、もっと気軽に専門家のサポートを

心の悩みには、友人や同僚などの助けも心強いのですが、悩みが高じてつらくなってしまったら、早めに専門家のサポートを求めたほうがよいことも少なくありません。

ストレスによって起こる病気の専門家は心療内科や精神科(精神神経科と称する場合もあります。コラム参照)の医師です。日本臨床心理士資格認定協会が認定した臨床心理士など専門の資格をもった心理カウンセラーなども心の専門家といえるでしょう。それぞれ、アプローチのしかたが異なります。
話を聴いてもらったり、認知行動療法などの心理療法だけでも楽になることがありますので、「悩みを相談したい」場合は、まずは心理カウンセラーのカウンセリングを受ける方法があります。
「つらさをなんとかしたい」場合は、病院やクリニックを受診することがおすすめです。病院やクリニックでは、必要に応じて薬を処方してもらったり、心理療法を受けることもできます。

患者数が増えていることもあって、心療内科や精神科の病院やクリニックの数も多くなっています(1996年に全国で3,198カ所だった精神科の診療所は2008年には5,629カ所に、心療内科の診療所は662カ所だったのが3,775カ所に増えています「厚生労働省 平成21年地域保健医療基礎統計」より)。気軽に心療内科や精神科へ相談できる環境も整ってきていますので、心の悩みを軽く見てこじらせないために、心身の不調があったら早めに受診しましょう。

自分でなんとかしなければと考えず、専門家に相談してみる

ストレスが原因で心やからだに不調が起こっても、「自分は病気ではない(心がつらくても病気とは思えない)から、病院へは行きたくない」と考える人もいるかもしれません。
逆説的ですが、「つらさ」の原因に思いあたることがあるなら、まずは、その原因を改善してみようする努力は大切です。例えば、「ストレスがたまってつらい」のであれば、自分なりのストレス解消法をためしてみる……、友人に相談してみる、生活リズムを整えてみるなど、解決策を講じてみるのはよいでしょう。

それでもつらいとき、もしくは、つらくて「会社をやめたい」「家事をする気になれない」「死んでしまいたい」などといった、自分ではどうしようもない気持ちに駆られるときなどは、自分でなんとかしようとせず、専門家に相談したほうがよいでしょう。
専門家に相談するという一歩を踏み出すことも、「なんとかする」ための一つの方法といえます。

【コラム】 精神科と心療内科はどう違う?

精神科はうつや不眠、イライラや不安など、心のトラブルで起こる症状に応じてくれる専門の診療科です。神経科や精神神経科と標ぼうしている場合もありますが、実態は同じと考えられます。
心療内科は「心理療法もあわせて行う内科」の略で、ストレスが関係したからだの病気に応じる専門科。からだの症状にうつなどの原因が潜んでいることが多く、うつや不眠などの悩みにも応じています。
このほか、メンタルヘルス科やメンタルクリニック(クリニックとは、「診療所」のことで、入院施設がない場合が多い)などと標ぼうしているところもあります。
予約が必要なところが多いため、どこに受診したらよいかわからないときは、あらかじめ主な症状などを電話で伝えて、対応してもらえるかどうか確認したり、ホームページなどで治療の内容を確認したりするのもよいでしょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。