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自殺を未然に防ぐために、この“危険なサイン”に注意!

自殺を未然に防ぐために、この“危険なサイン”に注意!

統計的にも、医学的にも、女性のほうが男性より心のトラブルを抱えやすいことがわかっています。しかし、心のトラブルがこじれて「自殺」に至ってしまうのは、男性が圧倒的に多いのです。大切な人、身近な人の自殺を未然に防ぐために、“自殺の危険なサイン”を知っておきましょう。

3万人近い自殺者の7割は男性

ストレスが原因となる心のトラブルは、誰にでも起こる可能性があります。うつ病は、その代表的なもの。悪くなる前にきちんとした治療を受ければ治すことができます。しかし、こじれると「生きているのがつらい」「こんな自分は生きていてもしかたない」「死んでお詫びをしよう」などという考えに陥りがちになり、自殺に至るおそれがあることをしっかりと認識しておきましょう。

今年(2014年)3月の内閣府の発表によると、2013年の自殺者の数は27,283人で、前年より575人少なくなっています。しかし、依然として1年間で3万人近くの自殺者が存在し、男性がその7割近くを占めています。原因・動機では、「健康問題」というケースが最も多く、その62%がうつ病をはじめとした心のトラブルとなっています。

一人で悩み続け、死に至ってしまうことも……

うつ病にかかるのは男性よりも女性のほうが多いのですが、上記のようなデータから、うつ症状がこじれて自殺してしまうのは、男性のほうが多いことがわかります。

女性は悩みがあると、誰かに相談して解決しようとする傾向があります。一方、男性は、安易に他人に弱みを見せられないと考え、一人で悩み続けてしまいます。この時点で、すでにうつ病が発症していると考えられますが、病院にも行かず、悩みが自分自身では解決できないところまで達してしまい、「死」に至ってしまうことがあるのです。

こうした状況を踏まえ、政府や医師会などでは、自殺予防に向けた本格的な取り組みを始めています。厚生労働省では自殺予防の10箇条をつくり、自殺を考えている人の危険なサインを周囲の人々が読み取り、自殺を未然に防ぐ体制づくりを進めています。

自殺予防の10箇条

次のようなサインを多く認める場合は、自殺の危険が迫っていると考えられるので、相談にのったり、受診を促したりなど、対策を講じましょう。

  • うつ病の症状に気をつける(気分が沈む、自分を責める、仕事の能率が落ちる、決断できない、不眠が続く……など)
  • 原因不明の身体の不調が長引く
  • 酒量が増す
  • 安全や健康が保てない
  • 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
  • 職場や家庭でサポートが得られない
  • 本人にとって価値あるもの(職、地位、家族、財産)を失う
  • 重症の身体の病気にかかる
  • 自殺を口にする
  • 自殺未遂に及ぶ

(厚生労働省「職場における自殺の予防と対応」より)

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。