文字サイズ

ときには、断り上手になろう

ときには、断り上手になろう

仕事ができて、周囲を気遣う人ほど、仕事を抱え込んでしまうことが少なくありません。一人でできることは限られているのに、ノーといえないためにオーバーワークとなり、心のトラブルの原因になることも多いのです。自分の疲れに早めに気づいて、ときには、上手に断ることも大切です。

期待を裏切れないからと仕事を抱え込んでしまうと…

新しい年になって、やる気に満ちている……という人も多いかもしれません。
新しい年、気持ちも新たにがんばることは好ましいのですが、その一方、がんばりやさんは有能な人が多いだけに頼られることも多く、仕事を抱えこんでオーバーワークになりがち。また、新しい仕事を任せられたり、昇進したりすると、周囲から認めてもらっていると感じ、期待を裏切りたくないばかりにノーといえずに、仕事を抱え込んでしまいがちになることも少なくありません。
そんな状態が高じても、自分の疲れに気づかなかったり、相手や周囲を優先して我慢したりしていると、ストレスもたまって、うつ状態になるなど、心や体にトラブルを来たしてしまう原因になりかねないのです。

必要なときは、きちんとノーと伝えることが大切

何かを頼まれたとき、断ることがなぜ難しいのでしょうか? 断ることで相手に嫌われたり、相手を傷つけたりするのではと考えたり、逆に断られたことで自分は嫌われていると感じてしまうからかもしれません。しかし、断れずに「仕事を抱え込んでパンクしてしまう」と、周囲にとっても大きな問題になりかねません。
メンタルヘルスケアには、周囲との上手なコミュニケーションが基礎となります。必要なときに、きちんとノーと伝えることは、上手なコミュニケーション術の1つ。周囲との良好な人間関係を築くためにも、自分も相手も傷つけないようにしながら、はっきりと断るノウハウを身に着けたいもの。参考までに、その基本ステップと具体例を紹介します。

上手に断るための基本ステップ

  • 謝罪
  • 断る理由
  • 断り
  • 代替案を提示する

具体例)上司から急な残業を頼まれたものの、断るとき

謝罪:申し訳ありません。
断る理由:お手伝いしたい気持ちは山々ですが、今日は以前から予定していた大切な用事があるので……
断り:どうしても残業できないんです。
代替案:今日は無理ですが、明日の朝でよろしければ、お手伝いさせていただきます。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。